写真はPanasonic デジタル一眼カメラ GH2

"パナソニック「DMC-GH3」。
ミラーレス一眼の中で最も本格派といえる" マイクロフォーサーズを代表するハイエンド機、パナソニックのGHシリーズだが、2010年9月の「DMC-GH2」を最後に音さたがなくなり、下位モデルの性能が上がっていく中でさあどうするのかとファンがやきもきする中、2012年6月に防じん防滴のハイエンドズームレンズ(LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S. )を出し、「ってことは、まもなく防塵防滴仕様のGH2後継機」が出るに違いないと思わせてなお半年。
【写真や動画で見る、パナソニック「DMC-GH3」:プロ仕様の本格派デジタル一眼に進化】 やっと出ました。
DCM-GH3。
マイクロフォーサーズハイエンド機の座をオリンパス「OM-D E-M5」に奪われたGHシリーズはこれでリベンジなるか。そんな感じでいきます。
●実にカメラとして構えやすいボディ GH3はデカくなった。かなりデカくなった。OM-Dと比べるとこんな感じ。
DMC-GH2が手元にないので比較写真は撮れないが、一回り以上大きいと思っていい。
だが、それが悪いかというとそうではない。構えた感じが実にカメラらしくて落ち着くのだ。
レンズを付けて構えると、重すぎず軽すぎず、グリップやほどよい曲面で手にしっかり収まるし、シャッターボタンもほどよく斜めについていて実に押しやすい。
手に持っただけでハイエンド機ならではの質感があり、使い勝手も今までのミラーレス機の常識をくつがえすデキ。
とうとうマイクロフォーサーズに「本当のハイエンド機がやってきた!」感バリバリなのである。
操作系も一新。何しろ電子ダイヤルが3つに増えたのだ。 GH1のダイヤルはグリップの先についていた。GH2では背面についていた。
それがGH3ではグリップの上にある前ダイヤル(キヤノン EOS的な位置。
DMC-G5ではファンクションレバーがついていた位置であり、レバーがダイヤルになったと思ってもいい)と背面の後ダイヤル、ロータリーダイヤルの3つになったのである。
後ダイヤルは、他モデルのプッシュ式ではなく、普通のダイヤルに変更されたが大きさやトルクはほどよく、回しごこちもいい。この感触もハイエンドだ。
さらに背面にロータリーダイヤルもある。 背面のボタン類もぐっと増えた。ミラーレス機では一番多いんじゃないかというくらい。
もう、フォーカスモードもドライブモードもレバー切り替えだし、WBもISO感度もボタン一発だし、さらにFn.1~Fn.5と5つのボタンをカスタマイズできる。これでもかというくらいぜいたくな作りなのだ。
モニタはシリーズ伝統のバリアングルで液晶ではなく有機EL。タッチパネルは感圧式ではなく静電容量式になり、軽く触れるだけでOKとなった。この辺も進歩している。
ぜひ触って欲しいのが「タッチパネルAF」。DMC-G5から採用されたアイデアだが、GH3ではさらに進歩している。
EVFを使っているときでも、タッチパネルをAFポイント選択に使おうというアイデア。
右目で撮る場合、右目でEVFをのぞき、グリップした右手親指を少し伸ばしてモニタをなぞるとAFポイントを移動できる。
これが優れものなのだ。 G5では「絶対位置指定」だったので、左上にAFを合わせようと思うと、EVFをのぞいたまま右手親指を左上に無理に伸ばす必要があったが、GH3では「相対位置指定」を選べるようになった。
ノートパソコンのタッチパッドでマウスポインタを動かす要領だ。これが実に感覚的。さっとEVFをのぞいて、右手親指でちょいとモニタをなでて被写体にフォーカスを合わせるのは慣れるとたまらない。
パナソニックに限らずEVF搭載する全カメラがこの「タッチパッドAF」を採用して欲しいと切に願っております。
●画質はOM-Dと同等、機能はGH3が上 やっと中味の話。 センサーは新開発の有効1605万画素のLive MOSセンサーだが、マルチアスペクト対応は弱くなった。
GH1/GH2は少し大きめのセンサーを搭載していたので、アスペクト比を4:3から3:2や16:9にしても画角はほとんど変わらなかった。GH3は3:2や16:9にすると上下をカットして対処するので画角が少し狭くなる。
ちょっと残念だが、仕方が無いところか。 ISO感度は200から12800。さらに拡張ISO感度をオンにすると、下限はISO125、上限はISO25600まで広がる。ISO125にするとISO200に比べてハイライト部が飛びやすくなる。
だから普段はISO200をベースに考えるといい。 気になるのは画質。やはりここはOM-Dと比べないとね、ってことで比べてみた。基準としてISO200、高感度作例としてISO6400を用意して、比較しやすいよう等倍で切り取ったのがこちら。
ISO6400での実力は互角。GH3はかなりインテリジェントなノイズ低減処理をしているようで、ベタなところは強くノイズを減らし、そうじゃないところはディテールを残す。GH3の方がちょっといい感じ。ちなみに、G5に比べると高感度時の画質は格段に上がってる。
連写はフルサイズで秒6コマ。OM-Dが秒9コマなのでちょっと負けてる。その代わり、超高速連写モードを持っている。画像サイズは400万画素相当(2336×1752ピクセル)に落ちるが、電子シャッターを使って秒20コマの撮影が可能だ。
するとこのくらい細かく撮れる。 電子シャッターは手動でもオン/オフできる。電子シャッターを使えば音も静かだし、ブレにくいので、手持ちHDR撮影時も便利。
ただ、ローリングシャッターゆがみはけっこう大きいので、動いているものを撮るときは注意が必要だ。 その他の特筆すべき撮影機能もいくつかチェック。 HDRは3枚連写してダイナミックレンジの広い写真を撮る機能。
HDRで撮ると合成用のマージンをとるため画角が少し狭くなる。 LUMIXらしく、ディテールの描写力を上げる超解像機能、暗部補正を行うダイナミックレンジコントロール、画素数を落としたときにその分を望遠に回す(つまり、8Mモードにしたとき、中央部の800万画素相当のみを使う)EXテレコンなども用意されている。
さらに、電子水準器、インターバル撮影、などなどひとつひとつあげていったらキリがないくらいだ。 動画はさすがGHシリーズという内容。
AVCHDでフルHDの60p、MP4でフルHDの30pに対応(24pでの記録も選べる)ほか、編集前提用として高ビットレートのMOV形式でフルHD 60pに対応している。
40%までのスローモーション、300%までのクイックモーション動画が可能だったり、絞り優先やシャッタースピード優先での動画撮影もできたりと、もともとGHシリーズは動画撮影機能に力を入れており、それを継承した内容だ。
●Wi-Fiは多機能でいろんなことができる 最後にWi-Fiの話。GH3はWi-Fiを搭載している。それが実に多機能なのだ。
Wi-Fiを使ってテレビを見たり直接ネットにアップロードしたりパソコンに送ったりといろいろあるが、全部チェックしてるときりがないので、ここではスマホとの連携をピックアップする。 まずカメラのWi-Fiをオンにする。Wi-Fi利用にパスワード(4ケタの数字)をかけられるので、セキュリティ面も考慮されているといえよう。
スマホとの連携で可能なのはリモート撮影と写真の転送。スマホとカメラを直接接続(カメラ側にスマホから接続する)こともできるし、Wi-Fiルーター経由での接続もできる。 画像を送る方法は2つ。ひとつはカメラ上で選んで送る、もうひとつはスマホ上でサムネイルを見ながら必要な写真を送るという方法。
スマホアプリ「LUMIX LINK」上の「再生」をタップするとサムネイルが表示される。カメラ上の写真に対する操作は、パナソニック独特の「ピクチャジャンプ」を使う。サムネイルを長押しすると四方向へにゅっとタブが出てくるので、そこにサムネイルをドラッグしてやるのだ。
「スマホに保存」にドラッグすると保存できる。ピクチャジャンプ設定では、TwitterやFacebook、Flickrなども用意されているので、よく使うものを登録しておけば、カメラ上の写真をスマホを通してさっと送れるのだ。
続いてリモート撮影の話。
「リモートビュー」を使うとスマホからカメラをコントロールできる。こんな感じ。 カメラのモニタとiPhoneの両方に同じ画像が出ているのがわかるかと思う。単にシャッターを切るのみならず、ISO感度や露出のコントロールもスマホからできるし、動画も撮れる(動画の場合あらかじめ撮影時間を登録しておく)、もちろんタッチAFやタッチシャッターもOK。
電動ズームレンズをつけていればズーミングも可能だ。 これがなかなか使えるのだ。カメラを離れたところにおいて、遠隔操作したいことってあるし。寒い冬はカメラだけ外に置いて自分は室内で待つとかできるし。
Wi-Fi関連は機能が多いので最初はとっつきづらいけど、よく使う設定を「お気に入り」に入れてやれば、次からは簡単。ハイエンド機らしい高機能なWi-Fiっぷりがいい。●GH3はまさにハイエンド機だった ボディは大きく重いけれど、その分、構えたときの安定感は抜群にいいのだ。
ハイエンド機らしい安定感といったらいいのか。LUMIXらしい丸みを帯びたデザインだが、いわゆる“みんなに優しいLUMIX”のイメージだけにとらわれず、プロの意見も大切に聞いて仕上げてきたという印象だ。 確かにマイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さい分、フルサイズセンサーを搭載するようなハイエンド一眼レフに比べると画質に難はある。
だがその分レンズはコンパクトだし、ボディも一眼レフの上位機に比べれば十分小さくて機動力は高い。 昨年のOM-Dと年末に出たGH3でいよいよマイクロフォーサーズのボディラインアップも下から上まで幅広く用意されることになった。
レンズもパナソニックが「LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S.」と「LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8/POWER O.I.S.」というF2.8通しのハイエンドなズームレンズを出し、オリンパスも単焦点の優れたレンズを何本か出して、ハイエンドなボディに相応しいクオリティのレンズがそろい始めている。
いよいよ面白くなってきた。[荻窪圭,ITmedia]すべてのトピックスをみる - livedoor トップページ外部サイトパナソニック、シリーズ最上位「DMC-GH3」を国内発表パナソニック、全域F2.8ズームレンズ「LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S.」パナソニック、全域F2.8大口径ズーム「LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8/POWER O.I.S.」を発表
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