こんにちわ。
佐賀市で「ICT教育×eスポーツ×遊び場」を運営しているDigitalStudyです。
子供向けプログラミング+パソコン教室や大人向けパソコン教室など各種デジタル教育の教室を運営しています。
先日ニュースでICTを使うほど学力が落ちるというニュースがあり、ヤフコメにも色んな意見が出て議論になってます。
ICTがいいか悪いかは置いておいて、ICTを推進していくにあたり大きく2つの課題があると私は考えます。
ヤフコメにあったコメントを基に今回記事を書いていきますね。
ICTを取り入れて慣れなければならない苦痛
小学校2年生の親です。
毎日宿題をタブレットから先生に送信しています。
明らかに紙で解いた方が早いのに、先生がスキャンして送ってきた問題にわざわざタブレットに手書きで記入しなければなりません。文字を拡大して書く必要もあり、かなり時間がかかります。
普通に、紙で出た宿題を家でやって次の日持って行くでいいのにと、毎日思っています。
例えばこのご意見ですね。
何にせよ新しい事を始める場合、それを覚える為の理解であったり努力が必要で、それは苦痛を伴います。
今はICTを義務教育に馴染ませる時期であり、一番苦痛が発生する時期でもあると思います。
紙で書いた方が早い。
これは間違いです。
このブログも何百文字と書いてますが、手で書くよりタイピングした方が圧倒的に早いです。
修正もコピペもできて、それが本当なら小説家は全員手書きです。
「早い」と思っているのは「PCを起動するまでの時間と慣れない手つきで入力するから」という部分だと思いますが、起動時間は今やスマホで常時起動状態。
慣れない手つきは時間が解決します。
タイピングは手書きの5倍のスピードで文字を入力できると言われてますが、慣れてない時期に「遅いから」という理由で辞めさせますか?
また、生徒30人として30人分のプリントを印刷して各自に手渡しで渡し、回収して30枚のプリントを一つずつ採点して入力する手間と、PDFで一斉送信して、データで回収して画像分析で自動で採点を行い、その結果をデータベースで記録して子供の記録を作っていく。
それがワンタッチでできる利便性をどう考えるのか?
勉強ができる生徒ほど、タブレットは使わない。
紙のほうがやりやすいし、楽しいという。
タブレットを使っておもしろいと言ってるのはあまり勉強が得意ではない人たち。
で、それで学力上がるかっていうと、そうでもない。
楽しんで終わり。深い学力をつけるなら、タブレットばかり使わないほうがいいですよ。
後で後悔します。
ちょっと調べるだけなら便利だけど値段をそれだけっていうのはだめだね
勉強ができる生徒ほどタブレットを使わないという統計データがどこにあるのかは知りませんが、この方の周りの方の体感上での話なんでしょう。
紙の方が楽しいという意見があり、タブレットを使うと面白いという意見。
両方一緒だと思いました。
では、学力中間層の方はタブレットを使って面白いか面白いか?の意見はどうなのか?
学力が低い子がタブレットを面白がるのは、学力が低いがゆえに娯楽等に流されやすいという部分ではないでしょうか?
ちょっと調べるのに便利とありますが、学術データや論文、統計データなどの深く濃い情報もネットに大量にあります。
恐らく濃い情報を探し切れない方のご意見なんだと思います。
反論しやすいコメントをピックアップしてますが、ICTに否定的な方はICTが苦手な方というのが私の意見です。
なので、何かしらICTを推し進めていく中での苦痛や失敗に堪えられないので、昔のままがいいという所に定着してしまいます。
これがデジタルアレルギーの一歩手前の状態だと私は警鐘を鳴らします。
毎日300円の商品を購入していて月9000円支払ってます。
月まとめ契約をすると8000円になりますが、一括払いです。
毎日購入しているなら圧倒的に月まとめ契約がお得に決まっているのに、毎日単品で購入してしまう層が一定数いるという話があります。
自己投資の為にお金を払い、時間と労力を使って自分を高めるという考え方もわかってはいるけどできない。
そこがICT推進における最大の課題かと思います。
ICTで〇〇が低下!!それってダメな事?
人間が進化するにあたって得たもの、失ったものがあると思います。
4足歩行から2足歩行になり、人間は4足歩行の動物より走る速度が一気に低下しました。
科学の力で空調が発達し、人間は動物に比べて体毛を失いました。
こちらの進化に関する記事をご紹介しますが、進化とは能力が向上するだけでなく退化もしていくという面白い記事です。
ICTの発達により今後予測されるのは「知識・記憶」の退化だと私は予測します。
子供が18年間をかけて蓄積していく「常識」ですが、こちらを全て情報データとして構築し、コピーが可能になり、それを体感できる装置が生まれたら…。
ICTで検索して情報を引っ張り出せばいいだけです。
「常識がない人=検索ができない人」に今もすでになりつつあります。
名刺の渡し方がわからなければ、Googleで「名刺 渡し方」と打ち込めば、一般常識的な名刺の渡し方が大量に出てきます
。
学校で学ぶ必要なく1分でこれを引っ張り出せるのが今の世の中です。
一番身近なもので電話番号ですね。
携帯が普及してから人類は人の電話番号を覚えなくなりました。
昭和の時代は10個くらいは友達の家の番号を覚えていたと思います。
では電話番号を覚えなくなったので「記憶力が低下した!!」となるでしょうか?
退化の部分は別の方法で対策を取る事も可能です。
というより退化するとわかっているなら、その対策もワンセットにしてそうならないよう両輪で動かしていくことが最善策だと考えます。
結局コントロールできてない事が問題
典型的なパターンのコメントがありましたので抜粋します。
iPadの悪影響を実感している。
中学入学後、ipadを持ち帰るようになってから、1学期末の視力検査で一年前の1.2から0.1に低下、また何度注意しても、深夜までipad使い放題で、朝起きられず、欠席も何度かあり。
成績も見事な右肩下がり。
成績を見ると、確実に、思考力や記憶力が低下していると思う。
早く、iPad回収してもらいたい。
実験台にされている。
これ以上、学校に通わせてもいいことがない。
ここまで、頭や体に悪いことを続けられて、通わせる意味がないと思っている。
正直この話が本当だとして、逆にすげぇなと思います。
視力が1.2から0.1に低下するまでiPadの使用を制限せず、目の運動や対策も何もせずに放置してたんでしょうか?
深夜までiPadを使用するなら22時でWi-Fiを切る、ないしペアレンタルコントロールで使用制限をかければいいだけの話ではないでしょうか?
我が家も子供のスマホは21時で全ロックする仕組みにしてます。
わからないならお金を払えばやってくれる所もあります。
ICT端末は子供にとって中毒になる可能性も秘めているのは間違いありません。
問題はICT端末ではなくコントロールです。
我が佐賀県でもこの問題は必ず出る
こちらに面白い記事があります。
タブレット学習にありがちの「一方的な学習」において、「受身での教育」が学力に影響を与えるというのは私も同感です。
特にデジタル学習はその性質により「バカでもわかるくらいわかりやすくできる」という利点がデメリットになります。
画像、動画、音声と使ってあらゆる角度で説明ができますし、VRがもっと身近になれば、人の体験、記憶を全く同じ状況を再現して体験する事もできるようになるでしょう。
しかしながらそれは受身での体験となり知見できても血と肉となった知識になるとは言い難いです。
なので「ICTを使用すると学力が下がる」という意見については概ね私も同意です。
ですから、そうならないようコントロールしながら上手に活用するというのが今後の課題です。
佐賀県もGIGAスクール構想が始まってから最先端で県としての取り組みを進めていますが、ここら辺の話はあまり議論を聞きません。
ですので、最先端であるがゆえに色んな問題や失敗が発生し、「苦痛」が発生するでしょう。
我々もみなさんと一緒にその苦痛を感じながら、上手にICTを活用できていけば…と思います。