栃木県に住んでいたことがあったり、学校写真の「聖地」、日光に何十回も行っているカメラマンとして、この新鉄道の開業は非常にうれしいもので、ほんと、待ちに待ってました。 (当初の開業予定から2回延期になったから、ほんと待ってました)
開業日の26日土曜日は、「イベントで大混雑するだろう」「発車は午後3時からなので、あまり乗れないだろう」と考えて、翌、27日日曜日と28日月曜日の2日間、ライトラインを堪能してきました。
※お断り プロのカメラマンですけど「撮り鉄」ではないので、写真の質についてのご批判はご遠慮ください。
宇都宮駅東口駅 かっこいい車体だと思います。
駅前広場では開業記念のイベントをやっていました。
特設ステージではゴスペルを歌ってましたが、この人たち、キリスト教徒なのかな???
こういう、記念写真に最適なモニュメントがあるのはいいですね。
27日は天候が不安定で、さすが「雷都」と呼ばれる宇都宮、突然土砂降りの雨が降ってきたり、降ったりやんだりの1日で、野外イベントは大変でした。
※目立った宣伝はされていませんが、「ライトレール」の「ライト」は、「雷都」の意味もひっかけています。
さて、開業2日目日曜日ということで、いろいろなテントブースがあって、地域の宣伝をしたり、お土産を売っていたりしましたが、ここで気になったのが、ライトラインが利用を勧めている、新ICカードの「トトラ」というもの。
スイカと同じ交通系ICカードなんですが、栃木県内でライトラインやバスを使用すると、ポイントがたまるというもので、これを使って乗ってほしいと、事前宣伝してましたが、これを販売するブースがここにないって・・・・これはちょっとひどいんじゃないでしょうか? 宇都宮の駅にもなく、「バスの営業所に行って買ってください」とのこと。どこだよ???
いろんなしがらみがあるのかもしれませんが、こういうところが「お役所仕事」的で、バカだなあ、と思いました。
駅ビルの中のコンビニで売るべきですよ。私も、記念に買っていこうと思ってたのに・・・・
さて、この日は「12分間隔で運行」しているはずですが、なんか遅れています。そして、乗るには、このようなディズニーランドみたいな行列に並ばないといけませんでした。ある程度は覚悟してましたが、ちょっとすごい行列で、猛暑の中、冷房がない場所でずっと待っているのは苦行です。
あとからわかったのですが、「ICカード」を持っていない、「現金で運賃を払う客が予想外に多く、車内での料金収受に時間がかかり、運行が遅延していた」(路面電車は駅舎がないので、事前に切符を買うとかできないシステム。そして、現金で支払う場合は、運転手がお金を扱うため、全3両のうち、1両目の最前部の出口までいかないといけないため、3両目に乗ってしまった客の場合、ラッシュのように混雑している車内を「すいません!!」と言いながら1両目まで移動して、お金を払うということになり、これでは乗降に時間がかかるのは当たり前)とのことです。
行列作って並んでいる待ち時間に上記の「トトラカード」を勧めて販売するとか、いくらでもやり方はあったと思いますが、なんで、そういう工夫をしなかったのでしょうか? ICカードを持つ乗客が多ければ、あれほどの遅延は起きなかったと思います。
(この日は、突然の大雨が降って、屋根のある駅のホームで雨宿りする人も多く、それでいっそう、乗降が大変でした)
それに、宇都宮駅では大勢の職員がいて案内やら整理やらしてましたが、ここで、「ICカードを持っていない客に対して乗車券を事前に手売りする」とかしておけばよかったと思います。混雑するのがわかっていながら、対策を考えていないのは会社としてアホです。
やっと乗れた車内はこんな感じで、通勤ラッシュみたいな混雑でした。
さて、ICカードで乗降する場合は、どの出入り口からでも可能で、この写真のタッチセンサーにカードをタッチすればいいのですが、これがまた、ちょっとややこしいのです。
「乗る時は下のセンサーにタッチする」
「降りる時は上のセンサーにタッチする」
「慣れれば簡単」なのかもしれませんが、開業したばっかりだし、観光客も多いため、これが容易には理解できず、「あれ? どうして?? なんかおかしいよ!」っていう客が続出してました。最初のうちは、面倒でも、運転手が車内放送で頻繁にアナウンスするとか必要だと思います。
そして、車内には2種類の液晶モニターが設置されているのですが、これがイマイチでした。
上は屋根の中央部分に設置された大きなモニターなんですが、この情報表示がイマイチです。「路線図の表示はたまに出ますが」とか「次は***駅です」とか「乗降の方法の案内」とかなく、95%は、CMでした。広告料は大事ですが、ちょっと不親切だと思いました。横長画面なので、半分に分割して、左側に広告、右側に電車の案内とか、そういう方法がいいのではないでしょうか?
下のほうの写真は乗降口の上についている液晶モニターですが、これが小さい。そして、「こちら側のドアが開きます」という表示ばかりで、「次は***駅です」という表示が少なく、観光客には不親切だと感じました。今更画面を大きくはできないでしょうが、表示内容の再調整は必要だと思います。
さて、車内は、この2種類の液晶モニターがあるだけで、いわゆる「紙の広告」「窓に貼ったりする広告」はありませんでした。
おしゃれですっきりしていてかっこいいと思いますが、私、いろいろな鉄道に乗ってきて、最近、思うのは、「路線図」くらいは、紙のものを貼っておいてほしい。ということ。これ、観光客には非常に大事な情報なんですよね、なのに、最近はこれがない車両が多いのです。このLRTも天井とかに貼って欲しいです。
とにかく「案内表示」については「配慮が足らない」と思いました。毎日乗る通勤通学客には意味がなくても、このLRTを観光資源にするのではあれば、こういう親切な案内表示は絶対に必要です。
一方で、本来、乗客に聞かせるものではない、「業務無線」の音が大きくて、「これから休憩のはずなんですが、どうなってますか?」「引き続き乗車して運転してください」とか、そういう内容を全部、乗客に聞かせているのは、どうかな? と思いました。
まあ、本部の運行管理がてんてこ舞いになっている様子が全部乗客に伝わるため、普通なら「遅いぞ!」とか苦情が出るはずなのに、この無線の声を聞いているから、「しょうがないな。こんなに混乱しているのでは文句を言っても意味がない」と思わせる効果はありました。
さて、町中は開業祝賀ムードでいい感じでした。
鬼怒川を渡る際の車窓風景もGood。
ベルモールというショッピングセンターを過ぎてからは車内も空いてきました。
ものすごい時間がかかって、やっと、終点「芳賀高根沢工業団地」駅に到着。
下車していろいろ写真を撮りますが、12分間隔運行のはずなのに、40分間次の電車が来ず。来たら来たで、団子状態で連続でやってくるという、すごいダイヤの乱れで大変でした。
ライトラインは公式ツイッターがありますが、最新情報がほとんどなく、「何のためのツイッターだよ!」って感じです。忙しいときほど、情報が大事なんですけどね。撮り鉄さんの中には「傘、忘れた」って人もいて、雨の中、濡れながらずっと車両が来るのを待ってました。
40分も次の電車を待っている時に思ったのですが・・・・
路面電車の駅って、基本的に「駅舎内にトイレがない」ってこと。
おまけに、この終点の駅は、工場団地の中なので、コンビニとか商店もなく、トイレを借りるところがないのです。
これ、けっこう皆さん、驚いていて、「え? なんでないの?」と困ってました。
係員さんに質問すると、「路線の中に3駅ほどは、駅の近くに、公共施設のトイレを借りることができるところもあります」とのこと。1時間も電車に乗るとなると、観光客は「どこでトイレが借りられるか?」事前にきちんと調べておくことが大事かもしれません。
宇都宮駅はいいけど、この閑散とした終点駅には、仮設でもいいから、トイレを設置したほうがいいと思います。こういうのもお役所仕事的です。
大雨が降ったため、この駅では池ができていました。水はけを考えた線路設置が必要だったのでは? と思いました。
その代わり、逆さ富士みたいな写真が撮れましたけど。
気がついたのは、新規開業したばかりなのに、このように、線路がサビだらけでした。
客としては、きれいに磨いてほしかった気がします。なんかこれじゃ、地方ローカル線の廃線跡みたいな感じです。開業が2度も延期になってしまったため、錆びてしまったのでしょうか?
そのあとはいろいろと写真を撮りまくります。ここの坂の角度はなかなかすごかったです。
その後もまた大雨が振りました。
車両はすごくかっこいいと思いましたが、残念なのが、車両の上部。無骨な機械類が丸出しです。メンテナンスがしやすいからなのかもしれませんが、もうちょっと、デザイン的に工夫してもよかったのでは? 宇都宮駅とかでは、上から見下ろす角度になって、多くの人から見られますから。
さて、昼間の乗車が終わり、餃子を食べて、その後、夜間乗車します。今のデジカメは暗いところに強くなったので、夜の風景もけっこうきちんとブレずに撮れます。
(ただし、この鉄道、「1日乗車券」が売ってなくて、乗るたびにお金を払うので、けっこう散財しました。なんで、1日乗車券を販売してくれないんだろう???)
平石の車両基地
17:50と表示されていますが、この時の実際の時刻は20:20。つまり、2時間30分遅れている、ということ。
この日はものすごく遅延してダイヤが乱れたということです。
宿に帰って宿泊します。
夕食後のデザートは、これ。やはり、栃木はこれですな。
さて、翌日は月曜日、平日であり、ちゃんとしたダイヤで運行するかと思いましたが・・・・
やはり一般道路を走行する「路面電車」という性格上、どうしてもダイヤ通りには走行できないようで、乱れてました。
朝の通勤通学客みたいに「10分電車が遅れたら遅刻する」なんて人にはつらいかもしれません。
経験値を積んで、早く、定刻運行ができるようになることを望みます。
最後、「鬼怒川を渡るライトライン」が撮りたくて、けっこうあるき回りましたが、この程度のものしか撮れませんでした。
残念。
「速度」・・・最高40キロは遅すぎる気がします。原付に抜かれてます。線形が非常によくて、信号もなく、スピードを出せる区間はもっと速度を上げてもいい気がします。
信号にやたら引っかかって止まります。うまく信号と連携できないですかね?
次回、「1日乗車券」が販売されるようになったら、あらためてやってきて「全駅乗降」をしたいと思っています。
以上、取り急ぎのレポートでした。
<追記>
最近、話題になっている「撮り鉄」の人たちのマナーのことですが、私の見た限りでは、ほとんどの方がきちんとマナーを守っているように見えました。運行の障害になるような行為をする人はいなかったと思います。
しいてあげると
①「写真」ではなく「動画」を撮る人が、運転席横の定位置に居座り、ずっとスマホをくっつけて「車窓展望」の動画を撮り続けていてじゃまだった。写真の場合は、「じゃあ、次、どうぞ」と場所を譲り合うものだが、動画だとずっとそこにいるので、正直、迷惑。
②道路の真ん中の中央分離帯みたいなところに、三脚を2つ広げて、そこで長時間、写真とビデオを撮ってる人がいた。法律的に違反なのかどうかわからないけど、マナーとしてどうなのかな?と疑問に思いました。