「デジタル時代」の現在。
昔のフィルム時代のカメラマンよりも、「目の酷使」の度合いが激しくなったと思います。
デジタルカメラでの撮影は、フィルム時代のように、「撮影してフィルムを納めたらおしまい」ではなく、そのあとの「写真の調整・修正・整理」などもカメラマン自身がやるように変わりました。いわゆる「後処理」というものです。
「30人程度のピアノ発表会で、リハーサル~本番演奏~集合写真」と撮影した場合、その「後処理」には、だいたい、30時間くらいかかります。つまり、30時間、パソコンの画面を注視するということで、これに関わる「疲労」は半端じゃないです。
目が疲れるだけでなく、肩こりや頭痛になります。
そして、今、行われている「業務用カメラのミラーレス化」という時代の流れ。これが、また、疲労度をさらに増加させています。
撮影時にも、液晶モニターという「光っている画面」を至近距離でじっくり見つめているため、すごく疲れるんです。
昔、子供の頃に「1日3時間以上テレビを見ていると、目が悪くなる」とか怒られてましたが、3時間どころじゃないですからね。撮影時は7時間くらい見つめてますから。また、ミラーレスカメラは液晶画面の中に様々な情報が表示されるので、ただ、画面を見ているわけではなく、いろいろな情報に神経を使っています。ですから、より疲れます。
カメラマンの世界でも、「ミラーレスカメラに変わってから、視力がガクンと落ちた」と言っている人がいっぱいいます。
実は私もそうでして、利き目である右目の視力低下がほんとひどくて困っています。
そこで、今、「利き目ではない、左目でもファインダーを覗けるように」と、訓練をしています。
プロのカメラマンって、実は、右目でカメラを覗いている時も、左目をあけていて、周囲の状況を見ています。
これって、ピアノの演奏と同じで、「右手でメロディを弾きながら、左手で伴奏している」ようなもので、プロだったら、修行時代に誰でも訓練しているはずので、それができます。
スポーツ写真の分野では、たとえば野球では、「右目のカメラで、バッターの動きを狙いながら、左目で、内野手の動きを見ている」なんてことをやってますし、ピアノ発表会の撮影でも、「右目のカメラでピアノ演奏の様子を狙いながら、左目の肉眼で、舞台袖で待機している次の演奏者の様子を見ている」なんてことをしています。
戦場カメラマンも、右目のカメラで、ある戦士を狙っているとして、左目で周囲の状況を常に見ていないと、周りで危険なことが起きていても気づかずに逃げ遅れるなんてことになります。
なので、両目を使うということには慣れているはずなんですが・・・・・
いざ、左目でファインダーを覗くと・・・・ いやあ、参った。頭がついていきません。うまく見えません。特に「水平感覚」が狂ってしまう気がします。
まあ、「右利きの人が左手でお箸を持つ」ほど難しくないかもしれませんが、とにかく、「相当訓練しないとうまくならないな」というのはわかりました。また、「鼻が操作ダイヤルにぶつかって困る。どうしよう?」「カメラのボディがじゃまをして空いている右目で周囲を見ることができない」とか、物理的な悩みもあります。
だいたい、目に関しては「右目利き 80%」「左目利き 20%」らしいのですが、プロは、カメラの構造上、シャッターボタンも右側だし、右手利き&右目利き用に設計されていることもあり、そういう事情もあって、ほぼ100%が右目で写真を撮っているようですが、これを左目でも撮れるようになるには、どれだけの訓練が必要なのでしょうか? 相当がんばらないといけないかも???