うちの事務所では「音楽発表会」の撮影をする際に、演奏前後の「お辞儀」の場面で、きっちりと客席を向いて、正立した全身像を撮るように努力しています。

この場面を撮らない写真業者も多いですし、教室の先生方も「お辞儀」のことを気にしない人が多いのですが、演奏写真では「横向きの姿だけ」だし、集合写真でも、全身がちゃんと写ることはないため、「せっかく、この日のために、がんばっておしゃれしたのに、前を向いた全身像の写真がないのはもったいない」と考えて、がんばって撮るようにしています。

 

ピアノの先生の中には、「発表会の演奏というのは、ただ、ピアノを演奏しているだけではなく、舞台袖から出て、客席の皆さんの顔を見てお辞儀をして、演奏して、演奏後も客席を見て、拍手を受けて、舞台袖に戻るまでが、演奏である」という意識を持った人もいらっしゃいます。

こういうのは「ステージング」とか「ステージマナー」と呼びますが、こういうことを教えてもらうと、ピアノ発表会以外の場面でも、今後、学校とか社会とかでいろいろと役に立つものです。そのへんまで見通して指導をなさる先生は素晴らしいと思います。

 

それから、この前撮影させていただいた、教室の先生なんですが、発表会開宴直前の注意事項で、こんなことをアナウンスなさっていました。演奏の様子をビデオ撮影する親御さんに対してです。

 

「演奏の場面をビデオを撮影する際、生徒さんがイスに座って、これから演奏しようという、神経を集中しているタイミングで、録画開始のボタンを押す人がいますが、その時に、”ピッ”という音が響くと、演奏者が集中できなくなってしまいます。録画開始ボタンを押すのは、名前を呼ばれる前くらいの早いタイミングにして下さい」

 

こういう配慮も素晴らしいなあと思いました。