パソコンのハードディスクを交換したため、過去に撮った写真のデータの整理をしております。
その中で発見した、結婚式の写真の中の1枚。
左端に、その披露宴を仕切った女性キャプテンが写っているのですが、この人とは一回しか仕事をしていないのに「いい人だったなあ、この人」と、写真を見ているだけなのに、ほんわかした温かい気持ちになりました。
このキャプテンと仕事をしたのは暑い夏の時期だったのですが、この人、カメラマンである私に対して、ちょうどお色直しの時間で、機材のチェックをしていた際に、「よかったらどうぞ」と言って、お冷を一杯くれたのです。
ただの水ですから、原価はゼロ円かもしれませんが、夏場の仕事で、かなり疲れている時に、この一杯はうれしいものです。まあ、当然自分でもペットボトルの飲料は必需品ということで用意をしてありますが、氷が入った冷たいお水というのは、生き返る思いがするもんで、ほんとうにありがたかったのです。
もちろん、このキャプテンは仕事もしっかりしてましたが、この一杯の件だけで、「いい人だなあ」という印象が決まってしまいました。
我々、外部のカメラマンにこんなことしてくれる会場スタッフ、滅多にいませんからね。ひどいのになると、新郎新婦がキャプテンに「カメラマンさんにもお水を差し上げてください」と頼んでも、それを知らんぷりする人だっていますから。
いっぽうで、ある小学校の卒業式の集合写真を撮ってる時に、「おい、早くしろよ!」と怒鳴った人のことは、「嫌な人だなあ」という印象がずっと残っています。
校長先生とかが、「このあとの予定があるから、早く終わらせてくれ」と言うのはありますが、特に作業が遅かったわけでもないのに、写される父兄のほうから、そんなこと言うのは、これ一回だけでした。
この人、有名な落語家で、笑点に出ている人です。おかげで、笑点を毎週見るたびに、「ああ、この人に怒られたなあ」と毎回思い出します。一回怒られただけですが「嫌な人だなあ」という印象が固まってしまいました。
人間の印象や評価って、こんな感じで決まることもあるんですね。