「見切れる」って言葉がありますが、これ、「本来の正しい意味」と、「今、一般的に使われている意味」が、完全に反対になっていて、混乱します。※詳細はこちらで
さて、今、落語家の「林家木久蔵」さん(笑点に出ている林家木久扇さんの息子さんです)のyoutubeチャンネルが、なかなかいい番組で、よく見ているのですが、そこに「三遊亭王楽」さんが出てました。
王楽さんは、先代の円楽さんの弟子で、笑点に出ている三遊亭好楽さんの息子さんです。
その王楽さんが、収録中に、「木久蔵さん、見切れてますよ」と言ったのですが、その意味が、「一般人が使う、見切れる、の意味」で言ったのです。
う~ん、王楽さんって、若い人ではあるものの、プロの落語家であり、プロの演芸人です。であれば、本来は、正しい用法で使うはずですが、それが、一般人の意味で使っていたので、びっくりしました。
業界人でさえ誤用するようでは、この用語はもはや使わないほうがいいのかもしれませんね。
ところで、王楽さんのお父さんの好楽さんとは、ちょっとした接点があります。
実は、好楽さんのお孫さんの小学校の卒業式の「集合写真」を仕事で撮ったことがあるのです。
小学校の卒業写真で「祖父母も加わって写る」というのは珍しいのですが(普通は両親だけ)、たまに、祖父母とか兄弟なんかも加わって、ものすごい大人数になることがあります。「写真に写るのは全部で何人になる」ということがあらかじめ予測できないため、ひな壇に適正に並べることがとても大変で、集合写真の撮影としては、難物です。
さて、大変な思いをして、全員を並べますから、並べるだけでもけっこうな時間がかかります。
そして、本番の撮影になるわけですが、100人以上いる全員の「目」をぱっちりと開かせた瞬間を撮るのは、実はものすごい大変なことでして。。。。
このため、「1枚撮ればいい」なんてことはなく、特にデジタル時代は、たくさんの枚数を撮って、目つぶりに備えます。
なので、ある程度の時間がかかるわけです。
この時、普通の人はじっとしているわけですが、好楽さんは違ってまして、みんなに聞こえるような大きな声で
「おい、早く撮れよ!」
と言ったのです。
長年、この仕事をしてますが、こんなことを言ったのは好楽さん一人です。
いやあ、驚きました。
好楽さんって、笑点を見ていると「温厚でのんびりした性格」のように見えますが、実際は、短気なおじいさんだったようです。
というわけで、好楽さんは印象深い人なのです。