「緊急事態宣言」のもと。
「発表会は中止します」という教室様もたくさんありますが、「なんとか形式を変更してでも開催したい」と考える先生もいます。
今回は、小規模の教室で行われた「個別発表会」という方法をご紹介します。
会場は、立派な公会堂。ピアノはスタンウェイ。客席数は約500。
しかし、その客席には、我々、裏方スタッフの他には「ひとつの家族」しかいません。
この発表会では、
「10:00~10:25までAさん家族の時間」
「10:25~10:50までBさん家族の時間」
「10:50~11:15までCさん家族の時間」
・・・・
というふうに、温泉旅館の家族風呂みたいな感じで「完全貸切」にしました。
普通、「完全貸し切り」とは言っても、「ロビーには、待機している別の家族がいる」とか「楽屋は2家族で共同使用し、演奏を終えて、ドレスを脱ぐ生徒さんと、次の演奏のためにドレスを着るお子さんがバッティングする」など、他の家族とかちあうことがあるのですが、今回の発表会は先生のほうで、「家族同士も一切顔を合わせない」という、本当の「完全貸し切り」の方法を考えました。
またまた、温泉旅館で例えますが、「離れ1棟貸し切り」みたいなイメージです。
「指定の時間にならないと、ロビーにも入れない」
「演奏が終わって、楽屋で着替えて、その家族が完全に撤収し、ロビーから出ていかないと、次の家族がロビーの中に入れない」
という徹底ぶりで、他の家族との接触を一切遮断し、「感染防止」に務めて、緊急事態宣言発令中ではありますが、安全に、発表会を開催しました。
「一家族完全貸し切り」ですから、500人用の客席でも、お客さんは5人だけだったりします。
ですから、どこに座っても構いません。
また、いつもだったら、「立たないで下さい!」と怒られますが、この時は、立ってビデオを撮っても怒られません。
また、コロナ下での発表会は、「客席の人数を少なくするため」に、「申し訳ありませんが、ご両親兄弟だけに限定させていただき、お祖父様お祖母様は会場に来ないようにお願いします」といった「人数制限を課す」ケースも多いのですが、今回は、そういったものもなく、祖父母はもちろん、おじさんおばさんなんかもOKでした。
なにしろ、貸し切りでしすから、本番演奏中は「撮影会」みたいな感じです。小さな赤ちゃんが泣いても、他のお客さんに迷惑をかけませんから、客席から出ていく必要もありません。
そして、本番演奏終了後は、家族全員がステージに上がって「家族で記念写真」を撮りました。こんなことは普通の発表会では不可能です。
もちろん、自分の家族以外は、無観客ということなので、「拍手がまばらにしか起きない」(というか、家族全員がカメラとかスマホを構えていると、誰も拍手できないので、無音ということもあります)という寂しさはありますし、「大勢の観客の前で演奏する」という「発表会の醍醐味」もありません。そういう欠点はどうしてもあります。
ただ、「感染の危険」は、まったくない状態ですから、安心して発表会ができます。(演奏者ひとりごとにドアをあけて換気もしますから完璧です)
大人数の教室では無理で、少人数限定(18人くらいがMAX)になりますが、こういう手法で発表会を開催できる場合があります。
「コロナなので発表会は無理」と、あきらめずに、いろいろ考えてみてはいかがでしょうか?
ひとつのご提案です。