コンサートホールというのは、一般的には密閉空間で、外の光が入ることはありません。

 

うちの仕事とは特に関係のない、「あるピアノ教室の先生」のブログを読んでおりましたら、

 

今年の発表会の会場は高層ビルの上にある、2面がガラス貼りになった。太陽光がいっぱい入り、眺望の素晴らしい会場です。

こんな素晴らしい会場で発表会ができて、とてもうれしいです。。。。

 

的なことが書いてありました。

 

たしかに、ガラス張りの会場って、なんか「いいところ」という気がしますが、写真屋とかビデオ屋にとっても、「撮影がものすごく大変で、できれば避けたい場所」です。

 

というのも。

 

「逆光になって、演奏者の顔が暗くなる」

「太陽光と会場内の照明光の光は性質が違う。太陽光は青い光だし、照明灯は赤い光。それらが交わると、きれいな色にはならない」

「太陽光の入り方は、天気や季節、時間によって変わってくる。リハーサル時に決めた設定が、ずっとそのまま使えるわけではなく、遂次変えていかないといけないが、演奏撮影に集中している時に、そういうことはなかなかやりにくい」

「ピアノ発表会では、専門の照明スタッフがいて、その場面ごとに最適な照明に切り替える、といったことはしておらず、入り込む外光の対応した適切な照明を当てられない」

「ガラスの鏡のようになって、撮影者の姿がガラスに写りこんでしまうことがある」

などなど・・・・という理由があるのです。

 

実際にこういう経験を何度もしているため、このブログで「2面全部がガラス貼り」というコンサートホールの写真を見たときに、「この発表会の撮影をする写真屋やビデオ屋は、、ものすごく苦労するだろうなあ・・・・・」 と同情してしまいました。

 

 

観客にしても、「天気がいいと、まぶしくて、ステージに向かって、目を向けられない」という状態ですし、プロだって撮影が難しいのですから、ご家族カメラマンの撮影も、うまく撮れない」ということになります。

 

このように、「ガラス張りの会場」というのは、「うわあ、いいなああ」と思わせつつ、「実はすごくやりづらい」という会場なので、お気を付けください。

たとえ、プロがいい写真を撮れなくても、どうか、責めないでくださいませ。お願いします。

 

 

 

 

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