ごくまれに、他のプロカメラマンといっしょに仕事をすることがあります。
そういう時は、当然、そのカメラマンの持っている機材に目がいきます。
また、日本では少ないのですが、ネット上で、自分の機材を紹介するプロカメラマンもいます。(海外では多い)
そうすると、そのプロカメラマンの持っている機材がどういうものかわかるのですが・・・・
他のプロカメラマンのやり方をあれこれ言うのは無粋なことですが、気になることがあります。
「カメラバッグの中にはカメラは2台しか入っていません」
「所有しているカメラは2台だけです」
というプロカメラマンがけっこういるのです。
ピアノ発表会とかステージ撮影では、「標準ズームをつけたボディ1台」と「望遠ズームをつけたボディ1台」の「合計2台」を、ほぼ平行して撮影します。
ですから、「2台」は必須です。逆に言うと、「2台あれば仕事はできる」ということになります。
「だったら、2台あればいいじゃないか?」
と皆さんは思うかもしれませんが、カメラというのは、「壊れることがある」ものです。
壊れたら、どうするんでしょうか?
「プロが使っているプロ用カメラは壊れないんでしょう? だったら、大丈夫じゃないですか?」とおっしゃる人もいるでしょう。事実、プロカメラマンの中でも、そういうことを言う人がたくさんいます。
しかし、長年、撮影の仕事を経験してきて、何度も経験していますが、プロ用の「60万円」とかするカメラでも、壊れます。故障します。
実際、何年か前にご一緒した若手のプロカメラマンは、キャノンのプロ用最高機種を2台持っている人で、最初にお会いした際に、「予備は持ってないんですか?」「ありません。プロ用機だから壊れません。大丈夫です」という会話をしましたが、本番撮影中に、そのうちの1台が突然故障し作動しなくなり、そのカメラマンはパニくってました。
その時は、私が持っていた「予備の予備の機材」である「Canon EOS kiss」(初級機です)をレンズ一式とともに、お貸ししました。
そのプロカメラマンは、「え~、EOS kiss??? こんなのプロが使うカメラじゃないですよ~」と、不満たらたらでしたが、「弘法筆を選ばす ですよ。これだって、ちゃんと写真を撮れるんだからいいじゃないですか? それとも、カメラが壊れて、写真が撮れない状態でいいんですか?」と諭しました。
最終的には、「貸してくださってありがとうございました。助かりました」と言ってましたが。
このプロカメラマンさん、ボディは2台だけだし、レンズも標準ズーム1本と望遠ズーム1本だけ、フラッシュも1台だけしか持って来てませんでした。つまり、「予備機材が一切ない」ということ。
その時は、私といっしょだったからなんとかなりましたが、これが「一人きりで撮影する仕事」だったら、ちゃんとした仕事ができずに終わってしまったことでしょう。
結婚式場の写真室の雇われカメラマンでしたら、自分の機材が故障したら、写真室に飛び込んで、「予備の機材を貸してください!」って言えば借りることはできます。ですから、結婚式場の専属カメラマンだったら、予備の機材はなくてもいいかもしれません。(でも、予備機材を借りるのに10分は現場を離れないといけませんから、その間の撮影ができなくなります)
でも、そういう、「いざとなったら、すぐに予備の機材をゲットできる現場」は実際には少ないです。
となると大事なのは、「予備機材」ということになります。
「カメラ2台を使って撮影する仕事」であれば、カメラは3台持っていきます。1台は予備です。
レンズも標準ズームを2台、望遠ズームも2台、持っていきます。それぞれ、予備です。フラッシュも2台持っていきます。
つまり、すべての機材で予備を持っていく、ということなんです。
よく、プロのカメラマンが、「なんで、そんなに大きなカメラバッグを持っているんですか?」と不思議に思うくらいの大きなバッグを持っていますが、その理由はこういうことなんです。
もちろん、「何かあった際の予備用」なので、自動車のパンクの時のようの、緊急予備タイヤみたいに、「なんとか走ればいい」というものなんで、予備用機材は、そんなに高級で重くて大きなものでなくてもいいです。 宮崎あおいさんや、小栗旬さんなんかがCMで使っているカメラ機材でもいいのです。
ちなみに、私が、ピアノ発表会撮影で持っていくカメラボディは、通常、「4台」です。
※故障というトラブルだけでなく、「不特定多数」の人が出入りするようなイベントだと、「盗難被害」というのもあります。水泳大会で、報道陣のカメラを日本の水泳選手が盗んだこともありました。(冤罪かもと言われてますが)
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