カメラの専門的な話なので、関心のない方はスルーして下さい。

フィルム時代を知っているカメラマンなら誰しも知っているはずの「スタジオ用カメラ」の名品があります。

マミヤの「RB67」というカメラです。



三脚に正立させたままで、カメラ後部の「フィルムバック」を90度回転させることにより、「縦位置」と「横位置」を容易に切り替えることのできる画期的なカメラです。

縦位置写真をたくさん撮るスタジオでは重宝しました。
結婚式場のスタジオでは、「新郎新婦の2ショット写真は縦位置で撮影」「親族集合写真は横位置で撮影」するものですから、その度に、三脚の雲台を90度回転させるのは面倒ですし、90度傾けると、カメラは非常に不安定になります。
そういうケースでは、このRBというカメラは最高だったのです。三脚をいじることなく、瞬時に縦横変換できましたから。

さて、デジタル時代になり、こういった中判大判カメラはほぼ消えてしまいました。
(このカメラに関しては、思い出もあるため、うちの事務所では1台保管して飾っています。もちろん、現役使用はしていません)

今は、結婚式場のスタジオでよく見るのは、キャノンのEOS5Dシリーズ。
皆さんご存知の普通の一眼レフです。
普通の一眼レフは普通に構えた時に「横位置」になります。ですから、集合写真はそのままでOK。でも、新郎新婦2ショット写真の場合は、縦位置にするために、90度回転しないといけません。
このため、実際のスタジオでは、こんな感じにセットされます。




(このスタジオでは、1本の三脚の上に、本番用と押さえ用の2台がセットされている)

 安定性は良くないし、カメラマンとしても、ファインダーを覗く際に床に膝まづかないといけず、撮影しやすいとは言えません。

でも、通常の一眼レフを使う限り、こういうふうに構えるしかないのです。

そこで、Nikonの皆さんに言いたい。(キャノンさんにも言いたいけど、自分はNikonメインユーザーなので、Nikonさんを相手にします)

NikonのFマウントのカメラで、今のカメラの形状や操作性を同じにしたまま、一回り大きくなってもいいから、カメラ内で電気的に「縦横変換」のできるカメラを作って欲しいのです。

具体的には、36mm四方の正方形のセンサーを搭載し、それを電気的に、「横位置撮影時は、24*36mmに切り取る」「縦位置撮影時は、36*24mmに切り取る」というだけの単純な構造です。

Nikonには「クロップ」の技術がありますから、機能的には、新たに発明しないといけないものはなく、現状の技術で、全然問題なく、すぐに作れると思います。
36mm四方のセンサーであれば、今のFマウントのレンズのイメージサークルの範囲内ですから、既存レンズが同じマウントのまま、全部そのまま使えます。

ミラーとかペンタプリズムとかファイダーは改良が必要になり、フランジバックの問題も出てきますが、その場合、思い切って、ミラーレスにして、電子ビューファインダーにしてもいいです。背面液晶モニターを可動式にすれば、ウエストレベルファインダーと同じ姿勢で撮ることも可能でしょう。

カメラ全体は従来のものよりも、少し大きくなるかもしれませんが、スタジオユースで考えれば、なんの問題もなく、逆に、大きいほど、クライアントの受けはよくなることでしょう。思い切って、大きくして、5インチ四方とかの大型の背面液晶モニターを搭載してくれれば、老眼カメラマンは助かります。

このカメラ、ほぼ「業務用専用」になるため、民生用のように、大量に売れることはありませんが、「プロが購入する」のは間違いなく、確実に一定の需要はあります。

今苦労しているスタジオカメラマンは絶対に喜ぶはずです。

たいした技術開発も不要で、新たな需要を喚起することができる、このカメラ、なんとかNikonさんで作って欲しいなあ。よろしくお願いします。
キャノンよりも先にNikonがこれを出せば、全世界のスタジオカメラマンがこれを買いますよ。儲かりますよ。

なお、最近のNikonのカメラはD810以外は、初級機も含めて、シャッター音がとてもうるさく(本当はもっと静かにできるはずなのに、わざと大きくしているとしか思えない)、教会内とか静寂を求められる場所での撮影では、大変な迷惑になっています。もっと静かなカメラを作って欲しいと、切に思います。この点では、ほぼ完全な「静音モード」のあるキャノンに大きく水をあけられています。

ただ、今回提案した「スタジオ専用機」については、大きなシャター音は、歓迎です。スタジオでは「シャッター音が大きいほど、写されている実感が増す」という面がありますので。

****
それでもって、縦横変換カメラが売れるってことがわかったら、我々スナップカメラマン用に小型で静音仕様のものも作ってくれるとありがたいです。
スナップではクリップオンストロボを多用しますが、縦位置に構えた際に、ストロボは、「横から光る」ようになるため、「影ができる」「バウンスヘッドを切り替えるのが面倒」とか、縦位置の弊害というのもたくさんあるのです。

また、三脚に乗せて、ダンス発表会の撮影をする際も、ダンスは縦位置での撮影が多く、これもいちいち切り替えるのが面倒で、小型一眼レフでも「縦横変換機構付き」のカメラの需要はあります。
ぜひ、作って下さいませ。



****************************
発表会撮影は雫写真事務所へ

ポチ! お願いします


音楽教室 ブログランキングへ