「朝鮮特需」神話を排す | 安濃爾鱒のノート

安濃爾鱒のノート

これは web log ではありません。
なんというか、私の「ノート」です。

 Internet という、( おかしな連中に支配されていない )新しい media の普及のおかげで、所謂「南京大虐殺」とか「従軍慰安婦狩り」などという、例の迷惑な隣国の人 や 日本の偏向"学者"/"研究者" や 偏向マスゴミなどが創作して流布した捏造話に対する具体的且つ論理的な反論が、一般の人達にも届くようになってきているが、その一方で、その手の嘘の一種でありながら、未だ多くの人が騙されて続けている話がある:

朝鮮戦争のおかげで日本は発展した
日本は韓国に感謝しなければならない

という話である。

 

 これは、 なのである。

 

 下に、日・米・台・China・Korea 等の国々の、1900年頃から2010年頃までの一人当たりGDPの変化を示すグラフを付ける。
 これを見れば判る様に、朝鮮戦争時(:1950年6月25日 - 1953年7月)の日本だけの特別な経済成長などはない。米国のGDPの推移をみると、1942年から1945年の間に山が出来ている。これが第二次大戦の戦争特需による経済成長である。1950年6月から1953年7月の日本のGDPの推移にそのようなものは見られない。この間、確かに日本経済は成長し続けているが、それは その前後と同じ速さでの経済成長であったし、同じ頃 他国も経済成長をしていた。朝鮮戦争中だけの日本だけの特別な経済成長など なかったのである。

 

 

 そして、Wikipediaの「朝鮮特需」のページに詳しく書いてある通り、日本が不況を脱したのは1955年11月の神武景気からで、所謂「朝鮮特需」は日本の復興に必ずしもプラスであったとは言えず、逆に 日本の復興に必要な各種リソース(:資源・製造設備・製品・労働力)を米軍支援に奪われて寧ろ経済成長の阻害要因でさえあった。

 

Wikipedia の「朝鮮特需」のページより引用:

「朝鮮特需、これはつまり朝鮮のための軍需資材なんでありますが、これが現在二・四億ドル、日本の金にして九百億円かに上つておりまして、これは関連産業は非常な好景気になつたのでありますが、併し現在むしろ欠之インフレというような形になつて来ておりまして、例えば物調法、現に問題になつております物調法の統制下におきますところの銑鉄とか、ニツケル、苛性ソーダ等の物価が上つております。加うるに中日貿易、我が党の最も主張しております中日貿易を禁止いたしましたために、中国から買えば一トン十二ドルで買えるものをアメリカからわざわざ二十五ドルで買つておる。粘結炭を中国から買えば十六ドルで買えるものを二十八ドルで、塩を中国から買えば八ドルで買えるものを二三ドルでわざわざアメリカから買つておる。こういうような国の政治の結果、非常に日本の経済が疲弊しておる」
(参議院 経済安定委員会 昭和26年03月29日)
「…事実また八幡製鉄所のようなところでも、実際生産能力を超過し、そうして非常に臨時の注文であり、納期がやかましいし、値段も引合わないというようなことで、非常に首をひねつているというような、今までの案例もあるのであります」
(衆議院 通商産業委員会 昭和26年05月14日)
「…結局大阪、兵庫、岡山を中心とする阪神地区の産業は、特需産業を除いて、全般的には朝鮮動乱による好影響ということもさほどではなく、従つて只今のところこれが失業問題の解決に寄与するなどということからは程遠いという感じをもつた次第であります。つまり、各企業とも、今後の経済の見通しに対する不安感から、成るだけ雇傭を差し控えておるようで、朝鮮特需に対しても、これを雇傭量の増加によらず、専ら労働生産性の向上で賄うという方向をとつておるようで…」
(参議院 労働委員会 昭和26年11月02日)

 

 また、朝鮮戦争時、もし、米軍にとって 日本という後方物資支援基盤が無く、米軍は遠い米本土から物資を輸送しなければならなかったとしたら、米軍+韓国軍は、地の利のあるChina人民解放軍+北朝鮮との戦いを続けることができたかどうか疑問である。

 

 これが実態なのであり、それなのに、なんで日本人が朝鮮戦争のことで韓国に感謝しなければならないというのだろうか?

 

   ーーーーー杉浦 憲二 (Sugíura Kenji) ーー sui generis ーーーーー