「自主防衛」"論" 批判 | 安濃爾鱒のノート

安濃爾鱒のノート

これは web log ではありません。
なんというか、私の「ノート」です。

 古いメディアには、左巻き系 Fake News が満ちている一方、SNS 上では、「愛国無罪」系のバカげた話が散見される。

 その手のものの一つに、

  《 日本の国防は 米国依存を脱し 自主防衛をするべきである 》

という "主張" がある。
その手の "主張" が、繰り返し SNS 上に書き込まれる。
これについて、ちょっと書きたい。

 

 防衛大学校の武田康裕教授の試算では、日米安保を解消して独自で国防をやるとしたら、必要となる自主防衛予算が、¥25兆円強。
現在の防衛予算が ¥5兆円くらい。
(これには、在日米軍の駐留経費や米軍再編関係経費など日米安保を維持する為のコストが含まれている。)

 もし、日米安保を止めて自主防衛をするとなると、あと¥20兆円必要となる。

 一体 どこから ¥20兆円 調達するというのか?

 例えば、社会保障予算¥30兆円から三分の二の¥20兆円削ってそれを防衛予算に回すことを国民が受け入れれば可能となるが。

 因みに、日本が米国の協力無くしては防衛できないように、米国も日本の協力無しでは国防できない。
お互い様、なのだけど、その為の負担には大きな差がある。
その負担の差は、日本は僅かな戦略的縦深性しか求めていないのに対し、米国は(人口国家の脆弱性故)めちゃくちゃ深くて広大な戦略的縦深性を求めているから。
だから、日本は、この負担の差を負い目に感じる必要はない。

(独自の文化、独自の皇室、独自の言語、独自の宗教、独自の神話を持つ日本は、求心力が強く、都市をすべて焼かれ 原爆を2発落されても、復活するほど強靭な国家であるが、ソ連邦やユーゴ連邦があっけなく崩壊したように、人口国家である米国は 求心力が弱い脆弱な国家なのである。)

 「自主防衛を」と "主張" している人たちは、自分では、非武装平和主義・9条教とかの妄想平和主義者とは正反対のつもりなのかもしれないが、現実を無視して妄想話に逃避しているという点で、「自主防衛」論者 と 妄想平和主義 とは 同類なのである。

 最近、妄想平和主義と陳腐な反安倍政権話で「したり顔」(:「どや顔」)の中二病芸人(女の混雑時間帯とかなんとか)の話がよくSNSに載っているが、妄想自主防衛の反米ネタで「したり顔」(:「どや顔」)の人も、程度の差こそあれ、これと同類なのである。「中三病」辺りか?

 

ーーーーー杉浦 憲二 (Sugíura Kenji) ーー sui generis ーーーーー