「プチトマト」は "tomate petit" | 安濃爾鱒のノート

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これは web log ではありません。
なんというか、私の「ノート」です。

 一口サイズの小さなトマトの話。

 あれのことを、どう呼んで、どう書くか、についてなのだが、日本では、一般には、
  「ミニトマト」 若しくは 「プチトマト
と呼ばれている。
 で、上のように、カタカナで表記するのなら、気にならないのだが、何故か、アルファベットで表記した方が良い( その方が「おしゃれ」ということか?) と考えている人も居るらしく、 その場合、
  「ミニトマト」 を "mini tomato"
と書くのは良いのだが、
(「いや、"cherry tomato" が正しい 」という人も居るかもしれないが、私は ここでは「もし『ミニトマト』を英語で書くなら」といっているのではなく、 「もし『ミニトマト』をアルファベットで表記するなら」という話をしているのである )
  「プチトマト」 を "petit tomato"
と書いているのを見ると、気になって仕方がない。
 とはいうものの、その「気になる」の中身を口に出して言えば、嫌われるのが判っているから、口に出して言うことは無い。しかし、この手のことは、私にはよくあることで、全部我慢すると鬱積が溜まって何時か問題を起こしてしまいそうなので、口には出さなくても、こうしてブログなどに書くことで、憂さ晴らしをしている。
 で、その「プチトマト」なんだが、私なら、もしアルファベット表記するなら
  "petit tomate"  或いは "tomate petit
とすべきである、と思うのである。というのは、"mini" (や "cherry" ) は、英語だから、それに続くのは、英語の "tomato" だが "petit" はフランス語だから、それと組み合わせて使うのはフランス語の"tomate"であるべき、という考えである。

 というと、「 いや、"petit" という英単語がある。」という反論をする人も居るかもしれない。確かに、(フランス語からの外来語としての)英語の単語として "petit" という言葉があり、日本の中学生向けの英和辞典にも "petit" という英単語が載っている。だから、私も、英国や米国のお店の店頭で、"petit tomato" という表記を見つけても、なんとも思わない。しかし、日本では、「プチ」("petit")は、フランス語の単語として良く知られている。だから、日本では、"petit tomato" はおかしくて、"petit tomate" とすべきだと思うのである。

 (なお、「チェリートマト」:"cherry tomato" に対応するフランス語としては、"tomate cerise" という語があるが、私は、こういう表記を日本では見かけたことがないので、ここでは触れない。)

 で、この話の序でに、日本の街中で見かける、英単語と仏単語の組み合わせに見えるものとしては、

 「トラベル・ビューロー」 / "travel bureau" 

というものがあり、この "bureau" も、元はフランス語で、今では既に英語化しているので、「 英語で "travel bureau" で なにか文句あるか?」と言われそうだが、もし「旅行代理店」ということを言いたければ、"travel bureau" より、英語なら、"travel agency" 、フランス語なら "agence de voyages" と言う方が一般的なのではないだろうか。そして、もし "travel bureau" をフランス語に機械的の直訳した "Bureau de Voyage" という言葉を使えば、それは、[ 旅行用の 折り畳み式の机 ] 、[ 旅行鞄兼折り畳み式の机] という意味に取られるようだ。

 




蛇足
 米国の政治家、James Danforth "Dan" Quayle( 第44代アメリカ合衆国副大統領 )は、或る日、学校の授業を参観していて、子供の前で "potato" を "potatoe" と書いて恥をかいたことがあったから、"tomato" を "tomatoe" と間違えて覚えている人も居るかもしれないなぁ。