すぐにアップしそうでそのまま時間がたってしまいました。すみません。
「ミスタボー・ジャンゴー」の歌詞に感動しつつ、ちょっと疑問に思っていたことがありました。
歌詞は一人称、ここでは「ぼく」にしますが、この「ぼく」が酒場で何らかの悪さをして、ニューオリンズのぶた箱に放り込まれたときの、実話がもとになっています。
自分がバカをしたせいで捕まり、落ち込んでいたところ、タイトル通りの「ミスター・ボージャングル」と名乗るおじさんが登場します。
ボージャングルというおじさんは、
みんなの前でおどる人だった。
擦り切れた靴をはき、白髪にボロボロのシャツ、
ぶかぶかのズボン、そして、古びた靴。
ズボンをつまみ、足をかまえ、高くジャンプ。
そして踵と踵をカチン!と鳴らした。
おや? と思ったのは、一応成功したといえるボージャングルが、みすぼらしい恰好でぶた箱にいるってことです。
脚色しているとしても、設定がやりすぎ、という印象がありました。
おじさんは、南部じゅうをめぐる
旅芸人だった。
15年間飼っていた犬が死んだことを
20年経っても寂しがっている。
ここで気がつきました。これは有名なボージャングルではないんだと。
色々と検索してみて、その考えが正しいことが分かってきました。
だとすると、この話は、もっともっと切ないのです。
言わば、矢沢永吉のモノマネで「矢崎永吉」と名乗って、地方から地方へと巡業するドサまわりの人……。
そんな苦労人が、若気の至りで落ち込んでいる青年を、踊りながら励ましている……。
泣けるじゃありませんか。
そういうシチュエーションだったことを知りつつ、オリジナルのジェリー・ジェフ・ウォーカーが歌う「ミスター・ボージャングル」を聞いてみると、サミーに劣らずいい味が出ているように感じるのです。
淡々と、カントリー風に流している感じが、実に哀愁を漂わせています。