STAR WARS Episode Ⅷ The Last Jedi | 羊飼いの戯言

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 12.15に封切りされた『STAR WARS EPISODE Ⅷ The Last Jedi』。ネタバレを恐れながら生きるのも窮屈なのでスケジュールの合間を縫って鑑賞してきました。職場から程近い上野にTOHOシネマが出来て本当に便利です。

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 位置的にはEpisode Ⅶに継ぐ章で、Ⅶで仄めかされた色々な設定の説明がされることが期待されました。しかし、カイロ・レン(ベン・ソロ)とルーク・スカイウォーカーの過去については説明されたものの、なぜレンの中に既に暗黒面が広がっていたのか、ファーストオーダーの最高指導者スノークが何者でどのようにレンの暗黒面を引き出したのか、という描写がなかったのですっきりしませんでした。またレイの過去についてもレンの口からわずかに語られるのみで、予想されていたルーク・スカイウォーカーとの関係については否定的な描かれ方でした。この辺りはepisode Ⅸまで引っ張るのか、それともあまり練りこまれた設定がなされていないのか、は分かりません。まぁ、必ずしも劇中で全部説明しきらなくてもいいのですが、裏づけがあるかないかでキャラクターの軸がはっきりするかどうかには影響してくると感じます。アナキンからレイアというフォースの家系を引き継いだレンに対して、レイはルークの血筋を受け継いだ設定にするのかなとも予想しましたが、そもそもアナキンも突然変異的にフォースの力を備えていましたから、レイについてはそれをオーバーラップさせる設定にしたのかもしれません。

 

 構成としては、ルークとレイ、カイロ・レン、フィンとローズ(とファズマ)、ポーとレイア、といった場面が次々と切り替えられながら進んでいきます。同じ時間軸で生じている出来事をリアルタイムで描写するダイナミックな構成でしたが、逆に一つ一つが練りこまれていなかったのでバタついた印象も受けました。が、フィンとポーについては大体収束したので、おそらくエピソードⅨでは、フォースを備えた光の戦士としてのレイ、暗黒面のレンという対峙構造に集約されていくのだと思います。

 

 なお、初期三部作からのファン向けには、ルークが久しぶりに再開したR2-D2や3PCOとのやり取りにほっこりしたり、最後の字幕でレイア役を務めていたキャリー・フィッシャーへの追悼コメントで涙させる演出が籠められていましたね。前者のやり取りは若き日のルークの喋り方を彷彿とさせて、役者さんの演技力に唸らされました。