管理人が田中芳樹の『アルスラーン戦記』に出会ったのは今から26年前。角川でアニメ映画化された(同時上映が竹河聖の『風の大陸』)のを見たのがきっかけでした。当時は筆者の筆が進むのが早かったので、いわゆる第一部の王都奪還、そして仮面兵団、旌旗流転と続刊が出ておりました。
その後は筆が止まり、場合によっては続刊が出るまで6年くらいかかったことも何度かありました。しかし、おそらくTVアニメ化や荒川弘によるコミック化などがきっかけとなって再始動し、ようやく今回完結に至りました。
読み進めて、例によって『皆殺しの田中』が発動していることに一抹の安堵を覚え、同時に思い入れのある登場人物たちが次々に斃れていくことに寂しさも感じました。終劇で生き残った人物は大体予想通りでしたが、未来へのつなぎ方が予想とは一段違った結末でした。正直、最終巻はきちんと練られた構成ではなかったですし、一応決着はつけましたよというやっつけ仕事ぶりが垣間見えましたが、それでも30年来の宿題が終わってホッとしています。いや、ホッとしたのは作者とその担当さんかもしれませんね。