新型コロナによる巣ごもり生活でレコード屋へ行けないストレスのため、息子とオンラインdigりフェスを開催しました。
その中でたまたま見つけたのがマイケルジャクソン “BAD”の日本盤カセットテープ。
そこそこのコンディションでまさかの1,000円ほどでGET。
中古カセットテープの価格は私の主観ですが
流通量が圧倒的に少なく、レコードよりも相場の目安が不安定。
仮に同じ80'sのメジャータイトルでも、販売店によって500〜2,500円というバラつきが見られます。
個人的にはwaltsさんの付けられている価格がいろんな意味で良い値段かと思います。
それを踏まえて日本盤の“BAD”。
今現在Discogsでも流通していません。
おそらく出品すれば4,000〜6,000円台で取引されるのではと思います。
国内での相場でも2,500円くらいではないかと。
お金の話は別として、この“BAD”が私の人生でCDで初めて買ったアルバム。
そして今までの人生で最も多く聴いたアルバムでもあります。
ちなみに初めてレコードで買ったアルバムは
“Thriller”。
そう、私の音楽の目覚めはマイケルジャクソンでした。
その目覚めのきっかけは、少し特異かもしれません。
中学1年生の時に引っ越してしまった親友が、引っ越して間もなく「マイケルが来るらしいで」と言ってそれだけの理由でうちに数日泊まりに来ました。
私の実家は兵庫県西宮市。
そう時は1987年、“BAD”発売間もなくツアーを行っていたマイケルがステージの一つに選んだのが今はなき『西宮球場』。
そこからわずか一駅のところに実家がありました。
その頃音楽にさほど興味もなかった私は、
マイケルが来日することさえ知りませんでした。
マイケルといえば“Thriller”と“Beat It”はほとんどの人が耳に馴染みがあるのでは、というくらいテレビや街中で流れていた時代。
私もその2曲こそ知っていましたが、あとはゾンビダンスの人というイメージくらいしかありませんでした。
結果的には、はるばるうちに泊まりに来て
音漏れを聴きに球場の周りをウロつく親友
(と私)を見かねた母親が「券を買って観てこい」と2人分のお金を差し出してきました。
次の日あれよあれよと当日券を購入。
2曲しか耳馴染みの無い状態で人生初のライブに行くことに。
めちゃくちゃ盛り上がっているこのライブ、しかしほとんどの曲もダンスも入ってきません。
ほとんどの曲も知らなければ、聴く耳も見る目も持っていなかったのです。
ライブの最中
「マイケルごめんなさい。ライブに行けなかったファンの皆さんごめんなさい。」
という自責の念を抱えながらノったフリをしてその貴重な時間は過ぎて行きました。
大満足で帰って行った親友を尻目に、自責の念が強く残った私はそこから罪滅ぼしとも言える熱狂的なマイケルファンへのスイッチが入り、それをきっかけに80's POPカルチャーにのめり込んで行くことになりました。
それから26年後、空耳アワーをよく一緒に鑑賞していた当時6歳の息子が突然放った「マイケル好きかも」という一言がその後のレコード・CD収集生活を始めるきっかけとなりました。
単純に親子2世代で音楽への目覚めが同じアーティストだったというのを知ってもらえたら
マイケルは喜んでくれるでしょうか。
そして“BAD”は今聴いても全く色褪せていない、唯一無二のアルバムです。