#腸内細菌 腸内細菌が作る代謝物「インドール」、免疫を介して複数のがんの増殖を抑える可能性/Cedars-Sinai
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腸内細菌が栄養素のトリプトファンを分解して作る「インドール」が、抗がん免疫を高める仕組みを解析
・マウスで特定の腸内細菌を投与→メラノーマ、大腸がん、乳がん、膵がんの増殖を抑制、インドール単独でもメラノーマを抑制
・メラノーマの免疫療法がよく効いた患者では、インドール産生に関わる酵素が多い傾向
・現時点では前臨床研究、特定食品やプロバイオティクスの効果は示唆していない
https://www.cedars-sinai.org/newsroom/preclinical-study-how-gut-metabolites-may-stop-tumor-growth/

全米屈指の医療機関であるCedars-Sinai(シーダーズ・サイナイ)から、興味深い研究報告が上がりました。
以下、要約です。

Cedars-Sinai(米国)/2026年7月14日

Cedars-Sinai Cancerの研究チームは、腸内細菌が作り出す代謝物の中に、体の免疫システムによるがんへの攻撃を助ける物質があることを突き止めた。

研究対象となったのは、「インドール」と呼ばれる物質。
インドールは、一部の腸内細菌が食事由来の栄養素を分解する過程で作られる。
今回の発見は、将来、新しいがん治療法の開発につながる可能性がある。

研究結果は、医学誌『Cell Reports Medicine』に掲載された。

研究責任者のZe’ev Ronai博士によると、今回の研究は、特定の腸内細菌が作る代謝物が、がんと闘う際の免疫反応をどのように変化させるのかを具体的に示した初めての研究だという。

これまでも、腸内細菌が免疫機能に影響を与え、がんに対する防御に関わる可能性は報告されていた。
しかし今回は、「どの物質が関わっているのか」という点で、インドールという具体的な代謝物を特定できたことが大きな前進とされている。

研究チームは、マウスの腸内に存在する細菌の一種「B. rodentium」と、それに近いヒトの腸内細菌「B. uniformis」に注目した。

これらの細菌は、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」を分解するときに、インドールを含む複数の代謝物を作る。

マウスを使った実験では、B. rodentiumを投与したところ、次のがんで腫瘍の増殖が抑えられた。

・メラノーマ(悪性黒色腫)
・大腸がん
・乳がん
・膵がん

さらに、腸内細菌そのものではなく、インドールだけを投与した実験でも、メラノーマの増殖が抑えられた。

研究チームによると、インドールは、トリプトファンの分解によって作られる他の代謝物よりも、今回調べた腫瘍に対して強い作用を示した。

トリプトファン由来の代謝物の中には、すでにがん免疫療法との関連が研究されているものもあるが、今回の実験ではインドールの効果が特に目立ったという。

研究者らは、メラノーマに対する免疫療法がよく効いた患者のデータについても調査した。

その結果、治療効果が良好だった患者では、インドールを作るために必要な酵素が多い傾向が確認された。

この結果から、体内で作られるインドールの量が多いことが、免疫療法の良好な治療結果に関係していた可能性が考えられる。

ただし、今回の患者データは「インドールが免疫療法の効果を高めた」と直接証明したものではなく、あくまで関連を示す結果である。

研究チームは現在、腸内のインドール量を増やすだけで、実際にがんを抑えられるのかを詳しく調べている。

将来的な治療法の案としては、ヒトの腸内に存在するB. uniformisをカプセルにして患者へ投与し、その後、細菌が増えやすくなる栄養素を与える方法が考えられている。

腸内でB. uniformisを増やし、インドールの産生量を高めることで、抗がん免疫を活性化できる可能性がある。

今回の研究では主にB. uniformisとB. rodentiumが調べられたが、インドールを作るために必要な酵素を持つ腸内細菌は、約20種類存在するとみられている。

そのため、今後はほかの腸内細菌についても研究が広がる可能性がある。

Cedars-Sinai CancerのRobert Figlin博士は、この研究について、現在の治療を補助する方法、あるいは将来的には一部の治療に代わる方法を開発するための基礎になる可能性があると評価している。

基礎研究で得られた発見を患者の治療へつなげる「橋渡し研究」として、新しい治療選択肢の開発につながることが期待されている。

研究責任者のRonai博士によると、将来インドールを利用した治療法が実現した場合、一つのがんだけではなく、多くの種類のがんに応用できる可能性がある。

その理由は、インドールによって活性化される免疫細胞が、さまざまながんを攻撃する能力を持つと考えられるためである。

なお、この研究は現時点では細胞やマウスを中心とした前臨床研究であり、インドールや特定の腸内細菌を人に投与すると、がんが縮小することを証明した研究ではない。

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特定の食事によって効果が出るというものではありませんが、今後の研究によっては、腸内細菌叢に感れして、食事などの生活習慣も無関係ではなくなるのでは、と思います。

研究の広がりに期待します。