#がん治療
あまりに広い治療応用の可能性。なんと、指定難病からメタボまで ノーベル賞で注目が高まる「制御性T細胞」の働きと有用性を、発見者の坂口志文氏に、直接聞いてみた/現代
※2020年実施のインタビューから
・制御性T細胞を少し減らすとがんへの免疫応答高まる 他
https://gendai.media/articles/-/158687
【記事の概要(所要1分)】
坂口志文氏が発見した「制御性T細胞(Tレグ)」は、免疫の過剰な働きを抑える細胞で、自己免疫疾患や炎症を防ぐ“免疫のブレーキ”として知られています。
しかし、がんの治療ではこのブレーキを一時的に緩めることで、体内の免疫細胞ががんを攻撃しやすくなる可能性があります。
坂口氏は「Tレグを少しだけ減らすことで、がんへの免疫応答を高められる」と説明します。
つまり、免疫のバランスを無理なく整え、体に備わった力を引き出す“自然な免疫療法”です。
現在の抗がん剤や放射線治療のようにDNAを直接傷つけるのではなく、もともと人が持つ免疫機能を活性化してがんを制御するという発想であり、副作用も少ないのが特徴です。
Tレグを外で調整して体に戻す方法も研究されており、将来は患者自身の免疫細胞を使って「穏やかにがんを抑える治療」が実現する可能性があります。
免疫を壊すのではなく“整える”というコンセプトです。
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2020年のインタビューということで、古い情報となりますが、既に5年前からこのようなことを仰っていたということです。
当時は、どちらかと言えば「夢を語る」というような雰囲気のあるインタビューですが、これが今では実際にヒト臨床の想定にまで漕ぎつけられているわけですから、大きな進展があったと言えます。
それが、今回のノーベル賞受賞に大きく関係するわけです。
Tレグを増やすとか減らすとか、それだけを聞くと、空論的ですらあるのですが、実際に坂口先生の会社では、「エピジェネティック再プログラミング技術」というものを確立されています。
これは、DNAの文字(プログラムそのもの)は変えないけれど、その読み方を変えることで細胞の”性格”を変えるという技術で、体への負担が抑えられる次世代の免疫療法として注目に値するものです。
日本国内だけでも、これまで多くの創薬系ベンチャーが登場し、華々しい発表で資金調達を目論みながら、全く鳴かず飛ばずで消えていった例を沢山見ました。
しかしこちらについては、着実に成果を積み上げられてきています。
昨日は、免疫療法でがんが治る人の割合が格段に高まる、と言われた、坂口先生の会見内容を紹介しましたが、これが信用値するものだと、私は思っています。