#緑茶
東北大、緑茶中のカテキンが主要な歯周病関連細菌を死滅させることを確認/マイナビ
・5種類の歯周病菌に対して効果、虫歯菌でも効果確認
・歯周病予防に緑茶が役立つ可能性

https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240822-3010252/

【記事の概要(所要1分)】
東北大学の研究チームは、緑茶に多く含まれるカテキン「エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)」が、主要な歯周病関連細菌に強い殺菌作用を示すことを明らかにしました。

研究では、Porphyromonas gingivalisやFusobacterium属など5種類の歯周病菌に対して、2mg/mlのEGCGを4時間作用させると全てが死滅し、う蝕原因菌のStreptococcus mutansよりも感受性が高いことが確認されました。

EGCGは細菌の代謝を抑制することで増殖を止め、死滅に導くほか、菌体を凝集させて唾液中から除去しやすくする働きも示しました。

特に歯周病菌は細胞壁が薄いグラム陰性菌であるため、EGCGの影響を受けやすい可能性が示唆されています。

ただし、今回の実験は浮遊状態の細菌で行われたため、実際のプラーク形成や口腔内での効果は今後の検討課題とされています。

緑茶カテキンの抗菌作用が歯周病予防に役立つ可能性が期待されています。

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1年ほど前に取り上げさせていただいた記事です。

日本にある歯医者さんの件数は約66000件にも達し、コンビニの約58000件を上回る程です。

歯医者さんが、虫歯治療だけではとても維持出来ないという現状は、歯周病菌などが健康にどのような影響を与えるかの研究が盛んに行われている裏返しだなと感じるのですが、そのおかげで、口腔の状態が全身の健康と関係することが次々と明らかになってきています。

こちらの研究は、歯医者さんではなく、お茶の研究なのですが、大変にタイムリーなものであると思っていました。

この他にも、口腔と茶カテキンの研究は数多く進められているのですが、ヒト臨床の結果はまだ出ていません。
まあこの辺は、金のかかるヒト臨床の実施で、どれほどのリターンがあるかがポイントとなってきますから、珍しくもなんともなく単価も低い緑茶では、なかなか難しいものです。

それでも、商品化へと近づいているものも中にはあるのは興味深いところです。

さて、ではこの東北大学の研究から、単純に緑茶を使って、口腔の健康維持を図っていこうとすると、いったいどうしたらよいのかを考えてみました。

1.お茶をそのまま飲むだけでは不十分
緑茶に含まれるEGCGは唾液で希釈される上、口腔内にとどまる時間が短いため、研究ほどの高濃度・持続性は得られにくい。

2.口腔内にとどめる工夫
・緑茶で「軽く口をすすぐ」ようにして飲む。
・食後や間食後にうがい代わりにお茶を口に含むと、口腔表面にEGCGが触れる時間が増える。

3.濃いめの緑茶や抹茶がよい
EGCGは玉露や抹茶に比較的多く含まれます。粉末状の抹茶は茶葉ごと摂取するため、摂取量はより多くなる。

4.歯磨きとの併用が効果的
フッ化物入り歯磨きとカテキンを組み合わせると、相乗効果でむし歯予防効果が強まることが既に確認されているようです。

だいたいこんなところでしょうか。

私が少し懸念するのは、いくら緑茶が口腔衛生に役立つからと言って、あまりに摂りすぎるとカフェイン過多になってしまうのでは、ということです。
また、よく言われることですが、茶渋による歯の黄ばみもありますね。

それらを考えると、歯医者さんと相談の上、適度にやるのが良策と言えそうです。