#がん治療研究
がん患者の死亡リスク「継続的な運動」で低下 追跡調査で判明/日経Gooday
●運動量が多いほど総死亡リスク低下、ガイドライン以上の運動(週15メッツ・時以上)では最大57%の死亡リスク低下
●10種がんで運動を継続していた人は死亡リスクが有意に低 他
【記事の概要(所要1分強)】
がんと診断された中高年者でも、診断から1年以上経過後に中強度〜高強度の運動(MVPA)を継続して行うことで、死亡リスクが大きく下がることが、米国の大規模な統合解析により明らかになりました。研究は、結腸がんや乳がん、肺がん、腎臓がんなど11種のがんを経験した9万人超を対象とし、平均10.9年の追跡調査を行ったもの。運動量が多いほど総死亡リスクが低下し、ガイドライン以上の運動(週15メッツ・時以上)では最大57%の死亡リスク低下が見られました。
さらに、10種類のがん(例:口腔がん、子宮体がん、膀胱がん、前立腺がんなど)で、運動を継続していた人は死亡リスクが有意に低く、ガイドライン未満の軽度な運動でもリスク低下が認められるがん種も複数ありました。特に口腔がんでは56%、子宮体がんで50%のリスク減少が確認されています。
この研究結果は、がん治療後の運動習慣が生存率の改善に寄与する可能性を示しており、医療従事者が治療後の患者に対して運動を勧める強い根拠となると考えられます。がん経験者にとって、無理のない範囲での継続的な運動が命を守る鍵になるかもしれません。
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こちらの研究を元にした記事はここ数数週間で多く出てきていますから、既にご存知の方も多いかと思います。
そこで運動を開始するのは素晴らしいことではあるのですが、必ず担当のお医者様と相談されてからでお願いします。
体の状態は人それぞれ皆違いますし、体力もまた違いますから。
その上で、特にこの記事からどんな運動がおすすめできるかを考えてみました。
まず大事なことは「継続」です。
この研究では、中強度~高強度の運動を習慣化することでそう死亡リスクが大幅に低下した、とあります。
今まで全く運動をしていなかった人が、中強度~高強度の運動を開始すると、かなり高い確率でケガをされます。
ケガをすれば継続することも出来ません。
また、あまりにもしんどいと、やる気が無くなってしまってモチベーションがあがりません。
これもまた、継続を阻害してしまうことになります。
そこで私が考えるのは、「徐々に上げていく」という基本コンセプトです。
これは私自身の経験からの着想なのですが、毎日継続出来る程度の強度を見つけてそれをまずはルーティンにするということです。
例えば、ウォーキングするとして、私がおすすめするのは、足踏みからの開始です。
スマホのアプリなどでメトロノームを用意して、1分間に120bpm、つまり120歩にセット。それに合わせて足踏みします。
30分を3回(3日)連続でできるようになったら、120bpmはそのままにして今度はももを高めに上げるなど強度を高めます。
それも出来るようになったら、130、140、150bpmと上げていきます。
そして次は外に出ます。実際に外を歩くのですが、足踏みの延長で歩きます。
前に進むというより、足踏みしながら少しずつ前に動く感じです。
160bpmで徐々に足踏み前進を30分出来るようになれば、少し歩幅を広げてもう少し前進を意識すると、ほぼジョギングのような感じになってきます。そうなれば、ジョギングに切り替えても良いかも知れません。
ただ、ウォーキングでももうこの時点で、結構な運動になっているはずです。
「徐々に上げていく」ことで、意外と出来るようになるものです。
気をつけていただきたいのは、ある一定の強度に達したら、それ以上は上げないということです。
ストイックになるのは悪い事ではないのですが、ここに落とし穴があって、疲労がたまりすぎたり、何かのきっかけで全くやらなくなってしまうからです。
継続のために、そういうリミットを設けておくことは大事な事です。
さて、そういう徐々に・・・のコンセプトを持った上で考えられる運動です。
1、速歩:1日30分×週5
2、自転車:1日30分×週3~4
3、軽いジョギング:1日30分×週3
4、階段の昇降や室内のエクササイズ:雨天時など
この程度だと思います。
体を鍛えるためではなく、生存率を高めるための生活習慣と考えることが大切です。
強度は緩くてもまずは継続すること、むやみに強度を上げてしまわないこと。
これが大事だと思います。