#腸活
絶食と腸内細菌利用糖の併用により腸内環境を短時間で再構築 ―特定腸内菌を選択的に増殖させる精密な食事介入戦略/北里大学
・マウス試験、36時間絶食中に「MACs」を与えると有用菌増加、免疫力指標のIgA抗体の産生も顕著に高
・ヒトへの応用は更なる研究・試験必要
https://www.u-presscenter.jp/article/post-56821.html
北里大学と慶應義塾大学の研究チームは、腸内細菌が利用できる特定の糖質(MACs)を活用し、腸内環境を短時間で再構築する新しいアプローチをマウス実験で確立しました。ヒトの酵素では分解されず腸内細菌だけが代謝できるこれらの糖質(例:オリゴ糖や食物繊維)を適切に摂取することで、健康維持に関わるビフィズス菌やラクトバチルス菌が優位に増殖。さらに、腸の粘膜免疫を支えるIgA抗体の産生も高まることが明らかになりました。
特に注目すべきは、抗生物質などに頼らずに腸内の“守りを担う”細菌を選んで育てる戦略が可能になった点で、将来的には病気予防や体調維持のための栄養介入としての応用が期待されています。今回の成果は動物モデルでの結果ですが、今後、人での応用が進めば、免疫力を底上げしながら体に負担をかけずに腸内環境を整える実践的な方法として注目されそうです。
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先日、国立がん研究センターさんが、ある特定の腸内細菌がある場合、メンけきチェックポイント阻害薬が効きやすいという内容をリリースされました。そう遠くないうちに治験も開始されるそうです。
そんなこともあって、急速に腸内細菌への注目がまた高まっているのですが、こちらは北里大学さんから興味深い研究の動物試験の発表です。
マウス試験で得られた結果ですから、これがそのままヒトに適用されるというのは間違いです。ただ、その可能性についてははっきりしたと言えます。
最近、化学療法中の腸内細菌の状態についてもよく言及されることが多いのですが、どうしても療法中は、腸内細菌叢の多様性が低下して炎症性の悪玉菌が増えてしまうことがあるというものです。抗がん剤が腸内にいる善玉菌まで殺傷してしまうということでしょう。
善玉菌というのは、この研究発表にもある通り、ビフィズス菌、ラクトバチルス菌などが該当してくるわけですが、これが減少して悪玉菌優位の腸内細菌の構成になれば、治療継続さえ難しくなるわけです。
ですから、ヨーグルトや漬物が勧められたりすることもあるのですが、この研究からすると「MACs」も重要であることがわかります。
難消化性デキストリンやイヌリン、フラクトオリゴ糖など、善玉菌のエサとなるものです。
人によっては、36時間の絶食は命に危険がありますから、私は「絶対にやめてください」と言いますが、「MACs」を含む食品摂取はおすすめします。
それが、悪玉菌優位にさせない=免疫力を保つ方向性に合っているだろうからです。
何を食べるかのご参考になればと思いました。