#がん治療研究
がんの栄養経路を絶つ革新的精密医療を開発 腫瘍微小環境の制御による新たな治療戦略/大阪大学
・「核酸医薬」進行がんの「環境ごと変える」
・マウス実験でがん縮小、再発防止につながる良好な結果
・将来的には標準治療と併用で完治目指せるか
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2025/20250610_1
大阪大学などの研究チームが、がんの「栄養経路」を断ち切ることでがんの進行を抑える、まったく新しいタイプの治療法を開発しました。がん組織内にいる「がん関連線維芽細胞(CAF)」という細胞が、がんを支え、免疫の働きを弱らせる一因になっていることに着目。このCAFが多く作る「NNMT」という酵素をピンポイントで抑えることで、がんの栄養の供給源を断ち、免疫の働きも回復させるという方法です。
この新薬は「核酸医薬」と呼ばれるもので、遺伝子を狙って制御する人工の“設計図”を使います。マウス実験では、がんの縮小や再発の防止につながる良好な結果が得られました。
これまで治療が難しかった進行がんでも、「がんの環境ごと変える」ことで治療の可能性が広がるという、大きな一歩です。将来的には標準治療との併用で“完治”を目指すことも可能になるかもしれない、期待の技術です。