#食で健康に
だから徳川家康は「平均寿命の2倍」も長生きした…陣中で「インスタント食品」にしていたスーパーフードの名前/プレジデント
●平均寿命37-38歳時代に73歳まで生きた家康
●八丁味噌、岡崎城から八丁(約870m)離れた場所で作られる味噌蔵の味噌 他
【要約】
徳川家康が平均寿命の約2倍である73歳まで長生きした理由の一つは、科学的にも理にかなった健康的な食生活にあったと考えられています。
中でも注目されるのが、家康が戦陣でも携帯していた「八丁味噌」です。これは愛知県岡崎市で作られる豆味噌の一種で、米麹や麦麹を使わず大豆と塩、水のみで2年以上自然発酵・熟成させるのが特徴。八丁味噌には、大豆由来のペプチドやアミノ酸、乳酸菌が豊富に含まれ、疲労回復、筋肉修復、腸内環境の改善、免疫力強化、ピロリ菌抑制、老化防止など多くの健康効果が期待できます。
家康はこの八丁味噌を、兵士が乾燥させたものを持ち歩き、水に溶かしてインスタント味噌汁にしたり、おにぎりに塗って保存性を高めるなど、理にかなった方法で活用していました。また、家康の食卓では「五菜三根」(葉野菜5種+根菜3種)を取り入れた味噌汁が日常で、さらに麦飯も添えて食べていたそうです。麦飯にはレジスタントスターチという腸内環境を整える成分が含まれており、これも健康維持に役立っていました。
八丁味噌はもともと、岡崎城から八丁(約870m)離れた2軒の味噌蔵(まるや・カクキュー)のみが名乗っていた名称でした。しかし2017年、他の愛知県内の味噌業者がGI(地理的表示)登録を取得したことにより、元祖2軒が「八丁味噌」と名乗れなくなる危機に直面。結果として2025年1月にようやく元祖の2軒もGI生産者に追加登録され、「昔ながらの八丁味噌」と「新しい八丁味噌」が併存する状態になっています。
「昔ながらの八丁味噌」は乳酸菌が多く酸味が強いため、煮込むことで旨味が引き出されるのが特徴で、「味噌煮込みうどん」がその典型です。一方、「新しい八丁味噌」は発酵期間が短いため酸味が弱く、沸騰させずに使えます。
また、戦場での携帯食としても便利だった「浜納豆」も紹介されており、これも八丁味噌に似た栄養価を持ち、携帯性に優れるため登山やマラソンにも向いているとされています。
さらに、八丁味噌に含まれる乳酸菌が生成するGABAにはリラックス効果があり、睡眠の質向上やアンチエイジングにも役立つとされています。
このように、八丁味噌は単なる調味料ではなく、戦国武将・家康の健康と長寿を支えたスーパーフードであり、現代の私たちにとっても健康に役立つ知恵が詰まった食材と言えます。