#膵臓がん
世界初、切除不能膵癌に対するWilms腫瘍樹状細胞ワクチンを併用した化学療法を考案・実施 治療奏効率 70.0%、病勢制御率 100%達成
●標準化学療法に同樹状細胞ワクチン併用
●切除不可判断の進行膵がん患者10名中7名が切除可能に・うち4名で顕著な治療効果 他

 

10年ほど前、仲良くしていただいていた知り合いが膵臓がんであることが判明し、それから約半年で亡くなられるという悲しい出来事がありました。

歳も変わらないし、とても性格が良くて明るい方であっただけに、大変に残念な思いでした。

 

また、仕事上で知り合う方の中にも、膵臓がんを患っておられる方もおられますから、余計に、膵臓がんについてはこだわりを持って情報を収集しています。

 

そのような中で、大変に期待の大きな成果が発表されたので、大いに期待膨らませています。

 

切除不能と判断されて、標準治療であるゲムシタビン&ナブパクリタキセル併用療法をWilms腫瘍樹状細胞ワクチン→WT1ワクチン併用で実施するという新しいものです。

 

他のワクチン同様、がんに抗原という目印を付けることによって、正確に効率的に、免疫細胞ががん細胞を破壊するように仕向けるものです。

 

このワクチンと化学療法をミックスさせた、免疫・化学療法ということになります。

 

切除不能膵がん、となると、状況は難しいもので、まずは、切除出来るようにがんを小さくして、、、ということになりますが、小規模で実施されたこの免疫・化学療法試験の結果、なんと10名中7名でそれが可能になっています。なかなか凄い確率です。

 

この10名さんのうち、評価可能であった9名での試験評価は、無増悪生存期間は2.23年、全生存期間中央値3.52年。従来の標準治療(ゲムシタビン&ナブパクリタキセル)ですと、無増悪0.46年・全生存0.71年ですから、驚異的な数字と言えます。

 

小規模試験での結果ですが、膵臓がんにおいて切除の道が見えてくるということは、膵臓がんを克服する道につながっていると言えます。

しかもこの試験は、簡単に言えば、もう手立てがなくなりつつある患者さんに実施された試験です。

病気が進行してしまう前の段階の治療方法としても、このワクチン自体は有効性が確かめられることになると思います。

何故なら、免疫療法は効果の持続時間が長いケースもあり、再発や転移の抑止においても効果を成す可能性は十分にあるからです。

 

またもう一つ期待するのは、このWT1ワクチンは、がん幹細胞をはじめとした、膵がん以外のがん細胞にも応用出来る点です。

 

期待ですね。