#がん治療
がん化学療法中の感覚運動トレーニングは、末梢神経障害の回避につながる可能性/医療NEWS
●トレーニング無し群70.6%でしびれ・ピリピリ・チクチク感=CIPN発生、トレーニング有群では30%
●トレ有群は、薬剤投与量削減を受けた患者少なく、死亡率も低
がんを治療するのは医療です。
その医療をより効率良く、効果的に進めるために患者さんが出来る事は無いのか。
例えば、食べるもの、運動・・・・
私はこういうことを探求している者なのですが、運動について、一つのエビデンスが示されているのがこの記事の内容です。
いわゆる、抗がん剤の副作用として発生する、しびれやほてりなどの神経障害が、治療に並行して感覚トレーニングを実施することで起きにくくなるというものです。
もちろん、全ての薬剤に対して効果を成すのかどうかはまだわかりません。
この試験は、副作用として末梢神経障害が出やすいオキサリプラチンまたはビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬(エクザール、ロゼウスなど)による化学療法を受ける158人のがん患者(平均年齢49.1歳、男性58.9%)を対象にしたランダム化比較試験です。
感覚トレーニングの内容はこの記事では明らかにされていませんが、1回15-30分程度のトレーニングを週に2回実施したものです。
トレーニング無しの場合と比較して明らかな差が出ています。
エビデンスの質も「高いもの」と言えますし、体さえある程度動かすことが出来れば実施可能な軽度のトレーニングだと思いますし、何よりも、コストがあまりかからないものです。
記事でも言及されていますが、末梢神経障害は長く続くものですし、そのための対策にはコストも時間も大きな負担となります。
それがトレーニングの導入によって対策出来るなら大きな成果です。
そして、特筆すべきことがもう一つ、抗がん剤を減らすなどの措置が必要なくなり、死亡率が減少という、医療成果も向上出来るというのですから、これは素晴らしいですね。
緩和ケア、または支持療法で体系的に医療に組み込まれて、早く普及することを望みます。