#重粒子線治療
量研機構、マルチイオンを用いた重粒子線がん治療の臨床研究を開始
◎マルチイオン照射→従来重粒子線治療よりも難治性がんに対する成績向上が期待出来る
◎骨軟部肉腫10名で臨床試験開始、2ヵ月経過で問題無し
◎膵臓がん、頭頚部がんへの適用も視野
重粒子線治療は、日本のがん医療の「看板」とでも言うべきかも知れません。
通常の放射線治療よりも緻密にがん病巣への照射が可能で、周辺組織への影響が少なく抑えられ、しかもがん細胞への殺傷効果は2~3倍と言われています。
体にやさしく強力な治療法と言えます。
問題は、大きな施設が必要なことで、手軽に受けることが出来ないことです。
さて今回、その重粒子線治療の総本山と言えるQSTさんが実施の臨床試験は、マルチイオンタイプという照射装置を用いたものです。
重粒子線など放射線における線量とは量を示すものですが、もう一つ、質を図る尺度として「LTE」というものがあります。
これまでの骨軟部腫瘍の重粒子線治療において、腫瘍量が大きい場合など、このLTEの低下が見られて、再発につながっていることがわかっていました。
今回のマルチイオンタイプは、このLTEを増強するための装置と言え、複数の線質によって照射出来るというもののようです。
このマルチイオンタイプの重粒子線治療のための施設も現在建設中のようですから、次世代重粒子線治療の誕生が迫っている、と言えるでしょう。