#遺伝子パネル検査
国内の肺がん患者さんを対象に遺伝子検査の実施状況を調査した結果を発表/がんプラス
◎肺がん患者さん1479人対象調査
◎生存期間比較→原因遺伝子見つかり標的治療を受けた24.3ヵ月:同見つかったが同治療受けられず15.2ヵ月:同見つからず11.0ヵ月 他
大変重要な知見かと思います。
分子標的薬治療が実施されたかどうかで、ここまで生存期間に大きな差が出ています。
分子標的薬に対応する遺伝子変異があるか、どの分子標的薬が効きそうなのか、を判明させる手段が遺伝子パネルで、既に承認されている薬物が効果があるかどうかを調べるのがコンパニオンと言われるものです。
この調査結果により、遺伝子パネルの有用性が証明されていますが、病院、コスト、情報など、いくつかの壁が存在しています。
あとは時期です。
恐らく、なのですが、こちらの調査対象となった肺がん患者さんは、保険診療で受けておられる方が大部分なのではないかと思います。
遺伝子パネル検査については、現在保険適用されているのは、標準治療がいよいよなくなってしまった方が対象となっていますから、薬が見つかったとしても、体の状態が既に衰弱し過ぎていたり、かなり進行しているケースも多くなって然りです。
「早めに効果があるであろう分子標的薬がわかっていて投薬していれば、もっと長く生きることが出来た、治癒の可能性すらあった。」
こう表現すると、あまりにも飛び過ぎているのですが、この近畿大学さんの調査の向こう側にあるものは、恐らくこういうもので、そこに向かうエビデンスであると思います。
その昔はiPSに投じられた国家予算は、実質付け替えでこのがんゲノム医療に投じられています。
1次治療か早期段階で遺伝子パネルが保険適用されるようになれば、時代は変わるかも知れませんね。期待しています。