#がん治療
ケトジェニックダイエット 抗がん療法強化と副作用の両面 シンガポール/サイエンスポータルアジア
●ケトン食は癌の成長を遅らせる一方、悪液質促進の可能性も
●食欲改善し悪液質を遅らせるデキサメタゾンとの併用に可能性
●利益とリスクの理解には更なる研究要

 

特に進行期のがん患者さんの食事療法として注目を集めるケトン食療法ですが、リスクをしっかり把握しておくことは必要なことです。

 

どうやら、糖質を制限によってがんを飢餓状態に陥れることは、がんの成長を遅らせるのには都合が良いようです。

ということは、炭水化物や糖分からエネルギーを得るのではなく、脂肪やタンパク質から摂っていこうというケトン食は、合理的だと言えますね。

 

進行期がんの場合、がん悪液質が進むなどで食欲そのものが大幅に減退している場合も考えられ、そんな時にはどんな形ででもエネルギーが必要な時、ケトン食を理由に食事を制限するとしたら、それは本末転倒ということになりかねません。

 

ステロイド剤のデキサメタゾンは、がん悪液質に対応する薬として既に出回るところですが、エネルギーとなるグルコースを作り出す能力を上げるというものようです。

 

これとケトン食の併用が良いのではないか、ということがこの記事でうたわれるのですが、そもそもグルコースの原材料となる糖質を制限している中で、どのようにそれが機能するのかはちょっとわかりづらいところですね。

 

ケトン食というのは、グルコースに代替するエネルギーとしてケトン体を使うようにもっていく食事療法のことですから、グルコースを抑えることが一つのポイントだと思うのですが・・・・

 

ケトン食でがんが治りますよ、と言わんばかりの記事が踊っていただけに、取り組まれている方もきっといらっしゃると思います。

そのこと自体は賛成なのですが、例えばそれで体重がみるみる減ったりしているようなら、一旦中止して作戦を練り直した方がよいのかも知れません。