#糞便移植 #免疫療法
「他人のうんちを腸に移植する」という治療法が注目されているワケ 「がんが消える」は本当か/プレジデント
●免疫療法で効果があった患者の糞便(腸内細菌)を効果が無かった患者に移植→40%で免疫療法が機能しだした
●がんがほとんど消失した例も
https://president.jp/articles/-/73848?page=1
糞便移植→FMTとは、腸内細菌叢(腸内細菌の構成)を移植によって変化させる方法、と言え、医療分野でも既に用いられだしています。腸内細菌叢移植、とも言われます。
糞便そのものを移植する形としては、中国では1950年代から実施した実績があり、腸疾患の緩和に役立ったという記録があるようです。
現在、「便バンク」と言われるものが、その中国、米国、オランダなどには存在しています。
また日本でも、難しい病気として有名な潰瘍性大腸炎に対する臨床試験が始まっており、今後活性化していくものと思われます。
さてこちらの記事は、お医者様らが書かれた「医療本」から、糞便移植について言及された部分を切り取ったもので、そこまで詳しく説明されているわけではありません。
ただここで取り扱われる、免疫療法の効果改善手法として用いられたFMTの結果は、世界最高峰とも言われる学術誌「サイエンス」にも掲載されたもので、信頼のおけるものです。
※佐藤のりひろ先生のYouTubeから情報をお借りしました↓
転移性悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がん患者さんのうち、免疫チェックポイント阻害薬オプジーボが効かなかった方々に、効果が出た患者さんの糞便をカプセルに充填し、繰り返し腸内に投与(座薬みたいに、ですかね)したところ、記事のような効果が得られたとのことです。
CR(完全奏効)達成が見られたというのは驚きです。でもこれ、事実なんです。
この試験は小規模なものですが、大変に重要な結果だと思っています。
そんなに良いものなら、もっとやればいいのに。
と思ってしまいますが、腸内細菌叢を他人のものに変更させることについては、まだ未知の部分が多いようで、特に安全性の観点で、まだ確認すべき事項が数多く残されているようです。
免疫療法で不奏効から奏効へと導くだけなら良いのですが、糞便提供者にあった他の疾患や体質までも引き継いでしまう可能性があるわけですから、そう簡単にはいかないというわけですね。
それにしても、腸内細菌が免疫や体質に大きく影響していることをあらためて感じます。
先日は、腸内に残ってしまい炎症を起こして糖尿病などの疾患の原因となる単糖類を、とある腸内細菌投与すると解消してしまったという前臨床結果が公表されていました。
今後、FMTの存在感が更に増していきそうな予感です。