#がん治療研究
ビタミンD、p53免疫反応性の消化管がんの再発/死亡を抑制/ケアネット
●消化管がん392例(食道・胃・小腸・大腸がん)解析、うち”p53免疫反応有り”の80例でビタミンDカプセル投与群の5年無再発生存率80.9%、プラセボ群30.6%
ビタミンDカプセル1日2000IU

https://www.carenet.com/news/general/carenet/57036

 

ポイントは、

p53免疫反応有りの場合、ビタミンD投与で生存率が上がっている

ということです。

この反応が無い場合、効果が無いことも判明しています。

 

また、1日2000IUもの大量のビタミンDを毎日摂取している点も重要と言えます。

IUというのは脂溶性ビタミンや酵素、薬物などの活性を示す国際単位で、これを重要単位に置き換えると、ビタミンDの場合は×0.025マイクログラムで、2000IUは50マイクログラムとなります。

食品からのビタミンD摂取と言えば、真っ先に出てくるのが鮭。

概ね100gあたりのビタミンD含有量は32マイクログラムとされています。

 

ちなみに、健常者が1日必要なビタミンD量は15マイクログラムとされています。

上限は100マイクログラムとされ、こちらの試験ではその中間あたりの量をサプリメントを投与されたということですね。

 

プラセボ(=ビタミンDをあまり摂っていない)で30.6%のところ、ビタミンD摂取群で80.9%ですから、これはもう「効果がある」と言えるんじゃないでしょうか。

 

一つ気をつけなくてはいけないことは、だからと言って、サプリメントでがんの再発が抑えられるとは決まっていないことです。

 

何も治療をせずにビタミンDサプリメントだけ摂取していた方々の結果ではありません。あくまでもサプリメントによるビタミンD”補充”の結果と捉えていただくべきです。

 

私はサプリメントの利用意義づけとして、栄養補助、という言葉を頻繁に使います。

栄養補助と言うと、なんだかあってもなくても良いような気はしますが、がん治療中にしたって、体の栄養状態が最終的には予後に影響することもあるわけで、どんな栄養を摂るかは生きる上で極めて重要だという認識です。

出来れば食品で摂れるなら良いのですが、毎日栄養たっぷりのメニューをこしらえることが出来る方はそんなに多くありません。

ですから、サプリメントで栄養を補助していただく、という考えです。

 

この試験も見方によれば、ビタミンDを食品や日光浴だけでは確実に摂取出来ないものとし、確実に毎日摂れる量をサプリメントで補った結果、と言えなくもありません。

 

昨今は、一定のお医者様らに目の敵にされているサプリメントですが、この試験結果を拡大的に解釈しますと、摂取の種類や用法によっては利益を提供出来る可能性が示唆されるものであると思いました。