#腎がん #がんワクチン
腎がんの新規治療標的候補を同定、ヒト内在性レトロウイルス由来抗原/医療NEWS
●免疫系が腎がんを攻撃する目印(抗原)「hERV」を発見→新技術による解析
●免疫チェックポイント阻害薬効果予測の新指標になるか
●がんワクチンにも応用可能見込

https://www.qlifepro.com/news/20230825/herv.html

 

腎臓がんへの免疫チェックポイント阻害薬の効果を左右する抗原が発見されたというものです。

 

抗原というのは、がん細胞に張り付いているペプチドで、言わば「目印」のようなものです。

この目印を体内にある免疫細胞が認識すると、がん細胞を攻撃するという仕組みです。

 

この研究で注目される一つの理由は、新しい解析システムが用いられているところです。

免疫プロテオゲノミクスと呼ばれる方法ですが、その抗原を網羅的(≒広範囲に)に遺伝子解析する手法で、言わば抗原版の遺伝子パネル検査のようなものですね。

遺伝子の切り口で抗原を見つけた、と。

 

そして、これによって従来では発見出来なくて不明だった腎がん攻撃の目印が見つかったのですから、一歩を踏み出した、と言えるのではないでしょうか。

 

さて見つかったhERV由来抗原ですが、がんには罹っていない方の、重要な免疫細胞であるT細胞を刺激することもわかっており、どうやらhERV由来抗原を目印にがん細胞を認識している可能性が高まった、とのこと。

 

これを阻害することで、がん予防用のワクチン開発にも応用も見込んでいるようです。

 

こちらの研究は、腎がんに特化したものですが、hERV由来の抗原ががんの増殖・転移を加速させる因子であるとする研究も散見されます。

多くの患者さんにとって、新たな手立てとなるように願うところです。