#がん相談 #卵巣がん
卵巣腫瘍、1回で手術終えられないか 術前に希望伝えて/産経新聞
●検診で20cmの卵巣腫瘍見つかる、良性・悪性は術前検査で判定出来ないか
【返答】腫瘍外側への増殖、腹水、腹腔外の腫瘤ありなら95%以上悪性、手術時悪性判明なら根治手術実施も 他
https://www.sankei.com/article/20230808-UYAJKAUR25LV7AVDYGMOXW6SGI/
産経新聞さんのがん相談電話です。
今回は、50代女性の方からのご相談で、検診で卵巣腫瘍が見つかり、良性・悪性を確定させるための開腹手術前のお方からです。境界悪性の可能性あり。
がん研有明病院の瀧澤医師のお答えから、
卵巣がんの難しいところは、腫瘍部を破綻させてしまった場合のリスクであることがわかります。
腫瘍の内用液が腹腔内に拡散してしまうとがん進行の危険があること、また、がんで無かったとしても粘液やタール状血液が腹膜に付着することで、術度腸閉塞の危険性があるようです。
ですから、丁寧に腫瘍部を切り取るために開腹するということです。
ご相談者さんとしては、手術は一回で済ませたいというご意向があるようで、それについての瀧澤医師のお答えとして
【抜粋】「迅速病理診断で悪性の心配がないと言われない限り、患側に加えて反対側の卵巣、子宮、大網切除まで実施してほしい(自分としては許容する)ことを主治医に伝えたらどうでしょう。この術式は境界悪性卵巣がんの標準手術で、術後の後遺症の心配も少ないです」
となっています。
私は今回のこの質問は、他の方にとっても有意義なものではないかと思います。
内容そのものと言うよりも、セカンドオピニオン的に相談窓口に不安や希望をぶつけてみると、こちらの事例のように、ご担当医さんとどんなコミュニケーションを取ればよいのかのアドバイスを得られる可能性がある、という意味でです。
がん治療のことを「ベルトコンベアに乗せられて進められている」と表現される方もおられましたが、患者さん側からのコミュニケーションの投げかけで、なされるがまま、という状態はある程度回避出来るのかも知れません。患者さんの精神的な不安の緩和にもつながります。