#がん相談
「がんの悩み相談は生活面での多様なアプローチ必要」がん経験者が指摘/産経新聞
●「CANCER SUPPORT 神戸なごみの家」
●44歳FP、4年前膵臓がん診断、放射線治療奏効、現在も化学療法中
●親戚の家に来たように親しみやすい所
●ご自身もなごみの家の活動に参加

https://www.sankei.com/article/20230728-MHLIRMTPONP3VKC4H2FOCPJOIM/

 

今年の3月に開始された、がん患者さんのための相談・交流スペース 「CANCER SUPPORT 神戸なごみの家」 さんの記事です。

 

治療そのものについては、当然、お医者様にお願いするものです。
しかし、その治療の前段階として、選択したり決断したり、または前向きな気持ちで治療に臨むことについては、このような「相談所」を利用するメリットがあると思います。
 
そもそも人は、不安や心配を漠然とした巨大なものとして捉えがちです。
それは、漠然としている段階ではとても強大なもののように感じています。
怖いのですね。
 
そのことを誰かに話すということは、文章化するということになります。
これにより、漠然とした不安・心配事項の要素が整理され、それがどれほどのリスクがある(と見積もるのか)か、解決できないものなのかなど、冷静な視点を得ることにつながり、大抵の場合は、考えていた程も大きな危険が伴うわけではないことに気づきます。
逆に言えば、そのリスクが自分独りの思考の中にあるうちは、とんでもなく危険なものであり、悲惨な末路も用意されていたりします。
もちろんそれは妄想のレベルであって、これを誰かに相談したりで話すうちに、実際にはどの程度のものなのか、更には最善の対応は何なのかをみちびき出せる可能性が高まるということです。
 
特にがん患者さんの場合は、命に関わりかねない一大事であり、もし私ならパニックになって冷静でいることが難しいと思います。間違った判断の方向に走ってしまわないために、相談は絶対に必要です、私なら。
 
ところが、なかなかそういう相談出来る先があってもその一歩が踏み出せないのは、相談した先にあるメリットなどの変化について疑わしいからです。
私はこの点において、なごみの家さんは、素晴らしいメリットをご用意されていることを記事から知りました。
それは、インタビューを受けておられるこの膵臓がん治療中の方が仰せの「親戚の家に来たように迎えてくれる」ということです。
私はこのことを、居場所の提供だけは約束されている、と理解しました。
つまり、相談することで得られる最低限のメリットはある、ということです。
 
国家ぐるみの対策として、がん相談支援センターの整備が進んでいますが、こう言った人の心に関わることを、もっと工学的に備わったものにしてもらいたいと思います。人の心の移り変わりを体系的手法でリードするということです。
そうしないと、せっかく良いシステムを作り上げたとしても、利用者不在というありがちな結果を招いてしまいますからね。