#がん光免疫療法
がん光免疫療法、症例数が伸び悩む一方で光明も
◎発展途上段階
◎実施したのは100例程度、適応基準の曖昧さも原因か
◎免疫療法との併用に期待をかける

配信:日経メディカル
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/202301/578288.html

 

切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌のみに保険適用されている光免疫療法ですが、現状の成果は「芳しくないのだな」と感じます。

 

症例は100例程度でそのうち8割が再発しているということは、ずばり言うと、いわゆる末期に至った患者さんへの効果は難しいということです。

 

記事でも言及されているように、あくまでも”現状”です。

 

今やがん治療の要と言っても過言ではない免疫チェックポイント阻害薬も、実戦投入当初は成績が上げられなかったとのことですから、まだまだこれから、ということです。

 

光照射そのものに対して、照射量を増やす、精度を高めるなどの面で改良余地があり、機器や手技での最適化は進行中とのこと。

 

また、最も期待されているのは免疫療法との併用で、

【抜粋】「癌細胞を攻撃する抗腫瘍免疫を持続的に発動できれば、進行癌でも治癒できるというもくろみ」

とのこと。

 

医療者ではない私個人が思うことは、治療法があまり無い患者さんにとって有用でなければ、新しいがん治療というのは発展できないものなのか、ということです。

 

国がiPSに代えて腰を入れている遺伝子パネル検査もですが、そもそも、標準治療が終了し、病状改善が難しい方に対しての実績だけを見ると、薬剤にありつけた方が数パーセントです。

これは、やはり光免疫と同じような現状評価となってしまいますが、現在、治療開始初中期段階での実施でどうか、という臨床試験が進んでいたと思います。

 

光免疫療法もまた、初期段階での効果は測れないものかと思います。

安全性は比較的高いものと言われていますし低コストですから、むしろ初期で使用することによってのメリットは大きいようには思えます。

 

また、繰り返しの照射も可能とのことですから、肝がんのラジオ焼灼のような使い方もいずれ出来ないものなのかなあ、なんてことも思います。

 

患者さんの体にやさしく、低コストなこの光免疫療法ですが、「末期で効かない」「金にならない」、この2点であきらめられてしまうことのないよう、切に願います。