【記事リンク↓】配信:がん医療情報リファレンス

TIL療法とは、患者さんのがん周辺に集まるリンパ球などの免疫細胞を取り出し、それを対外で培養して体内に戻すというものです。

ここで取り出されるリンパ球は、既にがんを認識して攻撃している細胞ですから、新たに「がんの目印(抗原)」を教え込む必要がありません。これを培養して活性化させた上で体内に戻すことで、がん攻撃に関する即戦力として活躍させる、という療法です。

 

難易度が高いのは、そのがんを攻撃するリンパ球である「CTL(キラーT細胞)」だけを取り出すことだと言われています。

 

さて、このTIL療法を利用したメラノーマ、皮膚がんの治療法が試験で高い効果をあげているようです。

 

【抜粋】

第3相M14TIL試験では、切除不能のステージ3c~4期メラノーマ患者168人をイピリムマブ(ヤーボイ:標準治療)による免疫療法またはTIL療法に無作為に割り付け、ほとんどの患者が事前の抗PD-1治療が無効

TIL療法を受けた患者の無増悪生存期間中央値は7.2カ月で、イピリムマブ投与群の3.1カ月と比較して有意に長かった。

奏効率はTIL療法群で49%、イピリムマブ投与群で21%であった。

全生存期間中央値はTIL療法群で25.8カ月、イピリムマブ投与群で18.9カ月であった。