【記事リンク↓】配信:MIT Technology Review
バイデン大統領が計画している”がんのムーンショット”計画というのは、「複数がん早期検出検査」という検査方法を用いて、早期がんを見つけて治療するというものです。
ガレリという検査システムを使用するようですが、これは血液検査によって、早期がんを発見出来るようです。
このガレリ。手法こそ違いますが、例の線虫検査のように、がんがあるか無いかを血液から判断し、あった場合は各部位の精密検査を実施する、と。
そしてもう一点、線虫検査と似通うところは、ランダム化比較試験は行っていないようです。
注目すべきは、このガレリのランダム化比較試験を、米国立がん研究センターが主導して実施する点です。
かなりのコストがかかる試験になりそうですが、これを行政主導で行うことの意義は大きいのではないでしょうか。
勘ぐって行けば、なんだかきな臭い感じもする施策ですが、日本も医療の聖域を破壊するほどのインパクトのある方策を国家事業として実施しなければ、何もモノにならないように思います。
経済的合理性を含めた医療または医薬の秩序では、未試験のものを非科学的として排除する傾向があり、これによって聖域が出来ているように見えなくもないのです。
がん対策は、国家の行く末を左右する要素でさえあります。
高齢社会の深化は確実なわけですが、医療浸けの長寿者を増やすのか、比較的健康体の長寿者を増やすのかでは、経済に与える影響も違いますね。