配信:北海道新聞

 

「腎がん」ということで一括りにされていたものを、いくつかに分類し、それに最適な治療法を選択していける=治療の高効率化に寄与し得る発見ですね。

【抜粋】
横浜市立大学大学院医学研究科 泌尿器科学 軸屋良介医師(大学院生)、蓮見壽史准教授らの研究グループは、同大学先端医科学研究センター 田村智彦教授(免疫学)や理化学研究所 中川英刀博士らとの共同研究により、新しい技術であるシングルセル遺伝子発現解析を用いて、腎臓がんが、
①様々な種類の腎臓細胞から生まれてくること、
②様々ながん微小環境を作り出すこと、
③1か所のがん組織の中に様々な性質のがん細胞が混在していること(腫瘍内不均一性)
を発見しました。
腎臓がんの複雑な発生メカニズムの解明と、進行性腎臓がんに対する薬物療法の効果を高める方法の開発につながることが期待されます。

●研究成果のポイント
・シングルセル遺伝子発現解析により、腎臓がんが様々な腎臓細胞から発生することが分かった(腎臓がんの起源細胞)

・腎臓がん組織の中の免疫細胞や血管細胞の数や性質が、症例ごとにまったく異なり、進行の早い腎臓がんでは、本来はがんを攻撃するべき免疫細胞が逆にがんに協力していることが分かった。

・1か所の腎臓がん組織の中に異なる性質のがん細胞が混在していた(1か所のがん組織内での腫瘍内不均一性)。