配信:がんプラス
【抜粋】
がん関連線維芽細胞(CAF)の性質をがん促進性から抑制性に変える合成レチノイド「AM80」が特定されました。
抗がん剤の効果を増強させる技術として、難治がんの新たな治療法への応用が期待されます。
膵臓がんの間質で増える線維芽細胞の性質を遺伝子操作あるいは化合物によって変化させると、抗がん剤の効果が増強することを動物実験で明らかにしたことを発表しました。
「本研究の成果は、薬物によりがん抑制性CAFの数を増加させることが新しい難治がんの治療法になることを示しています。本成果を受けて現在、名古屋大学消化器内科学および東京大学消化器内科学において、
切除不能膵がんに対するAM80(タミバロテン)と従来の抗がん剤(ゲムシタビン・ナブパクリタキセル)の併用効果を検証する第1/2相医師主導治験が承認され、治験を開始しています。今後は本研究成果を受けて、CAFの性質を制御する技術の開発がますます進んでいくことが期待されます」
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既に、従来療法に加えて「AM80」を併用する臨床試験が開始されているということで、これは期待の大きい研究と言えます。