配信:日経バイオテク

●関西医科大学のプレスリリース↓

https://www.kmu.ac.jp/news/laaes7000000kqxv-att/20220517Press_Release.pdf

 

【抜粋】本研究成果のポイント
・がん抑制作用を有する2種の天然植物成分の標的タンパク質として「RPS5」を同定した。
・現在世界中で汎用されている分子標的治療薬のひとつであるMEK阻害剤トラメチニブの細胞死耐性にRPS5が関与することを明らかにした。
計算機シミュレーションと実験により、消炎鎮痛剤として有名で、がん治療薬としても期待されているアスピリンが「RPS5」に強力に結合することを発見した。
タンパク質の構造に着目し、薬剤候補分子をスーパーコンピューターで探索する新しい創薬スクリーニング法を開発した。

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複合的に前向きな要素が絡んだ現状報告かと思いました。

まず、シソやハーブに含まれるペリリルアルコールとゴマ油に含まれるセサミノールが、どういう因果でそのような機能を発揮するのかと言う点で、タンパク質「RPS5」を特定出来たこと。

更にこの「RPS5」が、世界的に使われる分子標的薬「トメラチニブ」が効かなくなる原因物質であることがわかったこと。

また更に、この「RPS5」を抑える役割をする物質がスパコンによるシミュレーションによって割り出せたこと。
そしてそれが、がんへの効き目で注目されている既存薬のアスピリンであり、メトラチニブとの併用で、効果的にがん細胞の細胞死を誘導出来ることが確認されたこと。

新療法として、メトラチニブとアスピリンの併用が効果的である可能性が見いだせたことも素晴らしいですが、そこまでの手法についても素晴らしい、と、かなり素晴らしい研究成果ということが言えるかと思います。

それにしても、アスピリン。
併用と言う形か、新たに創薬されるのかはわかりませんが、がん治療で担われる役割に期待です。