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配信:MBC南日本放送
がん治療をするからと言って、妊娠をあきらめることが普通ではなくなってきました。
そこで、卵子凍結をはじめとした妊孕性維持のための手法に助成金が出るというもの。
これは、鹿児島県だけではなく、日本全国の多く地域でも実施されています。
しかも、それなりに手厚い助成のようです。
【抜粋】
「妊孕性」という言葉をご存知でしょうか?「妊娠するための力」を表す言葉です。
この「妊孕性」を保っておくことが特に必要とされるのが、がん患者です。放射線治療などのがん治療の過程で妊娠に必要な卵子や卵巣などに影響が及び、「妊孕性」が弱まったり、失われたりするおそれがあるためです。
こうしたがん治療に臨む人の経済的負担を減らすため、鹿児島県は今年度から、がん患者の「妊孕性」を温存するための費用への助成を始めました。
県内の女性(42)です。去年9月、不妊治療などを行う姶良市のクリニックで卵子を凍結保存しました。きっかけは乳がんでした。
がん治療に欠かせない抗がん剤や放射線治療。しかし、それが妊娠に必要な卵子や卵巣の機能に影響するおそれがあると、医師から告げられました。
(女性)「がんというショックがあった上に、卵子の機能にも影響があると知った時、頭が真っ白で先生の説明が何も頭に入らなかった」
抗がん剤などのダメージから卵子を守るため、女性が選んだのが「凍結保存」です。がん治療の前に卵子を取り出して凍結保存しておき、がんを克服した後に保存した卵子を使って体外受精などで妊娠を試みる方法です。
女性が「卵子の凍結」に踏み切ったのは、がんを克服できるケースが増えていることを知ったからでした。
(女性)「今は、がんは完治もできて、子どもも残せる。前向きな気持ちでがん治療を頑張れる糧となる」
もうひとつ後押しとなったのが、県が始めたがん患者の「妊孕性」を温存する治療への新たな助成です。
(女性)「抗がん剤治療にもかなり費用がかかっていたので、これだけ助成が出れば、卵子の凍結保存をあきらめたくないと思った」
(竹内レディースクリニック・竹内一浩院長)「がんと診断された時、ほかのことが考えられなくなる。でも将来のことを考えた時、卵子・受精卵などを凍結したほうがいい」
(NPO法人・がんサポートかごしま 三好綾理事長)「助成が始まった背景に、これまで経済的理由で叶わなかったたくさんの患者の涙があった。そういった患者への配慮(心のケア)も必要」「妊娠というと女性のイメージがあるが、男性のがん患者もたくさんいて、男性への(治療リスクの)情報提供が少なかった。男性への助成も始まったのは明るい話題」
助成制度については、県健康増進課=電話099−286−2721で問い合わせを受け付けています。