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配信:ヤフーニュース
【抜粋】
鹿児島大学病院は18日、独自開発した、がん細胞のみを殺傷する遺伝子組み替えウイルス医薬「サバイビン反応性m-CRA-1」の悪性骨腫瘍に対する医師主導治験が最終段階に入ったと発表した。2016年からの第1段階の治験を終え、今後2年間で20人を対象に有効性を評価する。早ければ25年の実用化を目指す。
悪性骨腫瘍は、骨にできるがんで、100万人に対し4人(日本全体で年間500~800人)が発症する「希少がん」。有効な治療法は少ない。遺伝子治療薬として承認されれば世界初となる。 「サバイビン反応性m-CRA-1」は、鹿大大学院医歯学総合研究科の小戝(こさい)健一郎教授=遺伝子治療・再生医学=らが開発。悪性骨腫瘍に対する前回の治験は鹿大病院だけで実施した。9人に対し重大な有害事象が確認されなかったため、有効性を確認する新たな治験への移行が認められた。
今回は国立がん研究センター中央病院(東京都)、久留米大学(福岡県)と合同で行う。鹿大病院側は、小戝教授がセンター長を兼任する鹿大大学院の南九州先端医療開発センターを中心に、探索的医療開発センターの永野聡副センター長らで構成する。
「サバイビン反応性m-CRA-1」は悪性骨腫瘍が発生している部位へ直接注射する。がん細胞のほとんどで「サバイビン」という遺伝子が異常に生み出されており、この医薬がその異常な発生の仕組みに反応し増殖しながらがん細胞を破壊する。正常な細胞には機能しないため副作用が少ないと考えられている。
治験を担当する永野副センター長は「骨腫瘍は希少がんのため、製薬会社も治療薬が開発しづらい状況だった。実用化すれば患者の希望の光となるのでは」と語った。小戝教授は「将来的には多くのがんでの適用を目指したい」と話した。
