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配信:日経メディカル
【抜粋】
大鵬薬品工業は2月14日、経口抗癌薬であるS-1について、乳癌の術後補助化学療法への適応拡大申請を厚生労働省に行ったと発表した。
今回の承認申請は、エストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性乳癌におけるS-1術後療法を評価した医師主導臨床試験であるPOTENT試験の結果に基づく。同試験は、ER陽性かつHER2陰性の原発性乳癌を対象として、標準的な術後内分泌療法を行う群(内分泌療法単独群)と、標準的な術後内分泌療法にS-1を1年間併用する群(S-1併用群)を比較した。試験の結果、術後内分泌療法とS-1の併用は術後内分泌療法単独に比べて、主要評価項目である浸潤性疾患のない生存期間(iDFS)を有意に延長することが報告されている(関連記事)。
また、腫瘍サイズや腋窩リンパ節転移などを加えた複合リスクが中リスクから高リスクの患者でiDFSを改善することが、POTENT試験の探索的解析で確認されている(関連記事)。術後内分泌療法単独群のリスク群別の5年iDFS割合は低リスク群で91.6%、中リスク群82.0%、高リスク群67.2%だったのに対して、S-1併用群では、低リスク群で92.5%、中リスク群88.7%、高リスク群75.3%だった。iDFSの層別ハザード比は低リスク群で0.86(95%信頼区間:0.45-1.63)、中リスク群は0.51(95%信頼区間:0.34-0.78)、高リスク群0.71(95%信頼区間:0.49-1.02)だった。