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配信:47NEWS
【抜粋】
岐阜薬科大学大学院薬科学専攻の平岩茉奈美大学院生(日本学術振興会特別研究員)、岐阜薬科大学薬理学研究室の深澤和也助教、家崎高志助教、岐阜薬科大学・岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科の檜井栄一教授らの研究グループは、金沢大学、東京大学との共同研究により、脳腫瘍の一種であるグリオブラストーマの「根治」を目指した新規の創薬ターゲットを発見しました。
グリオブラストーマは、脳組織中のグリア細胞ががん化することで発症する疾患です。グリオブラストーマは治療が非常に難しく、診断後の余命も極めて短いことが知られていますが、その原因の1つとして「がん幹細胞」の存在が提唱されています。がん幹細胞は「がん細胞を生み出す能力」と「治療抵抗性」を併せ持つことが大きな特徴であり、がんの「根治」を目指すためには、がん幹細胞を制圧することが重要であると言えます。しかしながら、「がん幹細胞の機能はどのように制御されているのか?」、「がん幹細胞を制圧するためには、どの因子を治療標的にすべきなのか?」ということについては、不明な点が数多く残されています。
研究グループは、がん幹細胞に発現するSMAD specific E3 ubiquitin protein ligase 2(SMURF2)(※1) というタンパク質が、がん幹細胞の機能をコントロールしていることを発見しました。さらに、SMURF2の機能を調節する“スイッチ”を切り替えることで、グリオブラストーマの進行が制御されることを見出しました。本研究成果はSMURF2がグリオブラストーマ治療に対する有望な治療標的となりうることを明らかにしたものであり、様々ながんの「根治」を目指した「がん幹細胞標的薬」の創製に繋がることが期待されます。