すい臓がん早期発見に光明 “自宅検査”も進化(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

 

【抜粋】

自宅でできる「がん検査」が注目されています。コロナ禍で気付かない間に「がん」になっている人が4万5000人に上る恐れがあることが分かりました。

 HIROTSUバイオサイエンス・広津崇亮社長:「医学界の夢だったんですけども、早期すい臓がんが分かるという時代が来るということで、今回のがん種特定検査の開発ということを急いでまいりました」

 この検査に使うのが、体長1ミリほどの「線虫」という生き物です。

 「HIROTSUバイオサイエンス」は線虫のがん患者の尿のにおいに反応して集まる性質を利用し、尿1滴で胃がんや乳がんなど15種類のがんを見つけられるがん検査を実施しています。

 ただし、これまではがんを見つけられても、がんの種類は特定できませんでした。それが今回、遺伝子組み換え技術により、すい臓がんの患者の尿だけに反応する線虫の開発に成功したというのです。

 HIROTSUバイオサイエンス湘南R&Dセンター、エリック・デルクシオセンター長:「すい臓がんは危険です。見つかった時は遅いです。生存率はかなり低いので、早期に見つけることが大事です」

 すい臓がんでの死亡者は、2019年でおよそ3万6000人に上ります。

 すい臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれ、すい臓がんは自覚症状が出づらく、早期発見が難しい病気です。

 日本対がん協会によりますと、がんが発見されていない患者は2020年に全国でおよそ4万5000人にも上る可能性があるといいます。

 また、コロナ禍で受診控えが起こり、2020年のがん診断件数は8万660件と、コロナ前の2019年に比べおよそ8000件も減少したといいます。

 そんな“受診控え”のなか、“自宅検査”に注目が集まっているのです。

 費用は1回あたり1万2500円で、4週間から6週間で結果が分かるといいます。

 今回、新たに発表されたすい臓がんの検査は、来年中にも検査での実用化を目指すとしています。

 HIROTSUバイオサイエンス・広津崇亮社長:「陽性的中率が84.5%、陰性的中率が100%ということで、非常に精度高く見分けることができる。日本から医学界の夢であった早期すい臓がんが分かる検査ができたということを、世界に向かって発表できる時というのが近々まで迫っている」