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複雑な疾患「がん悪液質」との戦い方:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)
日経メディカル20210812
・・・・・・・・・・抜粋・・・・・・・・・・
がん悪液質は予後に関わることが明らかになっている。
たとえば進行肺がんで抗がん薬治療を始める患者406人を対象に、予後と体重減少の関連を検討した前向き観察研究(JNUQ試験)では、体重減少の程度(四分位で分けた2.3%以下、6.1%以下、10.9%以下、10.9%超の4群を比較)が大きいほど生存率が低くなった(Support Care Cancer. 2016; 24(8): 3495-505)。がんの治療が進んだ現代においても、体重低下が予後に影響を与えることについて内藤氏は、「悪液質が、現代医学においていかに未解明で未開の領域であるかを示している」と話した。
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がん悪液質は、直接的な死因に関係してくるものとされています。
いくらがん細胞をやっつけていても、これで亡くなってしまうのなら、本末転倒ではないのかな、と思うのです。
体重の減少が予後に影響することがわかっていても、がん悪液質の対策、については、そのエビデンスが無い、という理由で、あまり重要視されない、という状況が起きています。
この解決のために、例の”体重増加剤”アナモレリンと併用で食事療法、運動療法を実施する臨床試験が実施されています。これは注目すべき試験ですね。
今のところ、お医者様の大勢は、標準治療以外に何もしてくれるな、なのですが、がん悪液質に対する集学的アプローチにより、予後の改善が明確になれば、患者さんにとっては「出来ること」が広がることになります。
どうか、金ではなく患者さんの命が優先とされるように願うばかりです。