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英国から逆輸入!? 常識覆す放射線増感剤:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)
配信:日経メディカル 20210622
何度も取り上げてしまって申し訳ないのですが、また私のサーチにひっかかってきましたので再掲します。
個人的にすごく期待しています。
是非内容をご覧ください。
【抜粋】腫瘍径が30~164mm(T2が5人、T4が7人)の局所進行・再発乳癌患者12人に対し、リニアックを用いて約3週間の放射線治療を行った(2.75Gy×18回照射と6Gy×6回照射が6例ずつ、治療前に1人脱落)。照射2週目からは放射線増感剤のKORTUCを週2回、超音波ガイド下で腫瘍に局注。その結果、12人全てにおいて腫瘍が50%以上縮小、半数は90%以上縮小し、1年後のフォローでも腫瘍の増大は認められなかった。一次エンドポイントとなる副作用は注射後の軽い痛み程度で、高い忍容性も確かめられた(Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2020;108:1019-29.)。
英国癌研究所は2021年3月にも「KORTUCの有効性が証明されれば、世界中の何百万人もの患者の放射線治療を改善する可能性がある」とコメントし、結果に期待を寄せている。
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2006~2013年に小川氏が高知大学で実施したI、II期の乳癌患者72例(いずれも手術拒否例)に対するKORTUCの治療成績は、5年全生存率100%、無病生存率97.1%、局所制御率97.1%と、標準治療に比べて遜色ない。非手術症例のため、整容性も良好だ。国内では長崎県島原病院(長崎県島原市)、大阪医科大学付属病院、東京放射線クリニック(東京都江東区)などで、乳癌患者を中心に1000人以上の治療実績がある。
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(50歳代女性。下部直腸に径3cmの中分化腺癌)病期はcIIIB。原発巣と領域リンパ節を標的として、術前補助療法の目的でIMRT: 46.8Gy/26分割の照射を実施。週2回、内視鏡ガイド下でKORTUCを局注・散布し、S-1も内服した。
病変は治療中から縮小し始め、手術前日(KORTUC治療後42日目)には粘膜面瘢痕を残すのみとなった(写真右)。ただし、超音波内視鏡で粘膜下に径1cmの低エコー結節を認め、「残存病変を否定できない」との外科医の判断で手術を実施。残存病変を疑われた低エコー部分は、切除標本では瘢痕組織のみであった。(症例初出は長崎医学会雑誌.2013,88〔2〕:124-9.)