配信:ミクス 2021.07.02

 

DFP-17729は、がん細胞が増殖するためにがん細胞外に放出する酸性物質により酸性となっている腫瘍周囲の環境をアルカリ化するもの。これにより腫瘍周囲の微小環境を改善する。DFP社は、「アルカリ化で中和することで、転移の抑制や治療の効率化に効果がある」とみており、難治がんのひとつの末期すい臓がんを対象に治験を実施している。

山口社長によると、末期すい臓がんを対象とした第2相臨床試験が22年秋に終了する予定。試験デザインの詳細は非開示としたが、化学療法剤にDFP-17729を併用した群と、化学療法剤単独群で延命効果をみているという。山川富雄常務執行役員(開発企画部担当兼創薬研究所長)はDFP-17729の第1相試験で「副作用はほとんどないと明確に証明されてきている」と説明。「DFP社の考えは、明らかな有意差が出ると期待して、厳しいすい臓がんでの試験をまず実施しているということと理解している」と話した。