20210625_weekly.pdf (nikkeibp.co.jp)

配信:日経メディカル 2021.06.25

 

重粒子線、BNCTなどが紹介されています。

中でも注目するのは、放射線増感剤「KORTUC」です。

簡易的(いや幼稚的か)な理解に過ぎませんが、このお薬を飲んでX線による治療を受けると、効果が増幅するというものです。

 

英国の機関が2019年に試験したところ、目覚ましい結果を得られました。

再発乳がん患者さん12人に対してKORTUCを腫瘍に局注した上で、リニアック=普及している放射線治療用の機器で照射したところ、

全員の腫瘍が50%以上縮小

半数が90%以上縮小

1年後でも腫瘍が大きくなっていなかった

ようです。

 

これすごくないですか。

 

英国ではフェーズ2試験が実施されていて、早ければ2023年中に承認される可能性があるというのです。

 

実はこれ、高知大学の小川先生という方が2006年に考え出した、とても簡単な構造のお薬のようです。

日本では臨床効果が認められていても「原価が安過ぎて採算が取れない」という理由で企業=製薬会社が手を引いていたもののようです。

 

製薬会社は営利企業です。

莫大な試験費用をかけた割に収入が少ないとなれば商売になりません。

営利という絶対的な課題や前提を満たさないものには手が出せない、わけです。投資価値の問題ということですね。

 

英国での承認が下りれば、ようやく日本企業も動き出すはずです。

でもなんか、もったいなくないですか。

 

せっかくのチャンスを、フレームワークではじかれただけで飛び込まない。

ファーストペンギンが不在を感じますね。

自分でやれと言われそうですが。